論理の小話1
3人の賢者の話 家族と温泉にいったときの話。トランプでもやろうかということになってやったのが、インディアンポーカー(正式名称はわからない。インディアンカードだったかもしれない)。 まず、カードを1枚自分の額の所に持ってきて、自分は見ないで、他に見えるようにかざす。何人かでそのようにやるから、結局、自分以外の全員のカードがわかる状態になる。それで、ブラフをかましながら勝負する。数字の大きい方が勝ち。と、いたって単純そのもののゲームであるがこれが結構面白い。これでひとしきり遊んだ後、次のような遊びをやった。 次のようなもようだった。 <レベル1>A(中2)、B(小4)の2人。Aに赤札、Bに黒札を与える スタートと同時に、Aは赤だと宣言。理由は、Bの札が黒だし、必ず赤札があるから、それは自分であると判断した。 <レベル2第一回>同じ2人。2人に赤札を与える。 スタートするが沈黙が続く。Bが「はーい」と手を上げる。理由は…特になかった。勘だそうである。とほほ。 <レベル2第2回>しょうがないので理屈をちょっと説明してもう一回 スタート後、Aが手を上げる。理由は「もし自分が黒札だったら、Bは手を上げるはずなのに、様子をみるとあげなかった。ということは自分は赤だ」と満点の解答。Bは飽きて早く「ハーツ」をやろうといっている。 <レベル3>A,Bの母親Cの3人で。Bに赤札、A,Cに黒札を与える。 スタート後、Bが「はーい」。私もBにあきさせないように考えているのだ。このとき、A,Cは自分の札の色は何か尋ねる。Cは「自分は、Aが黒、Bが赤であることがわかっている。更に、Bがすぐ自分が赤だと宣言したから、自分は黒に違いない」と解答。 <レベル4>Bに黒札、A,Cに赤札を与える。 これはしばらく沈黙。Aが自信を持って手を上げる。理由は、今自分が見えているのは、Bが黒、Cが赤である。ここで、もし自分が黒ならば、Cはさっきのレベル3の場合になるのですぐ手をあげるはずだ。しかしあげない。ということは自分は赤だ!というカンジ。 <レベル5>3人全員に赤札を与える。 賢明なる皆さんはご存じのことと思うが、<レベル5>は<レベル4>をサブルーチンに使う。そして<レベル4>は<レベル3>をサブルーチンに使う。例えば、Aは次のように考える。もし自分が黒札だったなら、Bは<レベル4>の状態に見えている。だから(ワンテンポおいて)手をあげてくるはずだ。しかしあげない、ということは私は赤だ!。…ということをBもCも考えるので、全員手が上がる!。しかし実際の結果は、Bが「勝負」で手をあげてしまった。とほほのほ。このゲームは3人が賢者であることが必要条件であったのだった。愚者が1人でも混じっていれば成立しないのである。
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