イザヤ書とモルモン書の比較

聖書のイザヤ書と、モルモン書に引用されたイザヤ書を比較した。
比較は英語の欽定訳聖書と英語のモルモン書の間で行なった。
相違部分は日本語のモルモン書の文章にいれた。

b()は聖書にしかない文言、m()はモルモン書にしかない文言である。
b()m()と記述しているのは、聖書の文言がモルモン書で変わっている
部分を示す。


イザヤ2章 5節 おお、ヤコブの家よ、さあ、わたしたちは主の光の中を歩もう。 m(さあ、歩もうではないか。あなたがたは皆、これまで悪の道に迷ってきた。) 6節 それゆえ、m(おお、主よ、)あなたはあなたの民、ヤコブの家を捨てられた。 それは彼らが、東方からのものを国に満たし、 ペリシテ人のように占い師b(であり、)m(に聴き、) 見知らぬ者の子供たちと交わるのを好むからである。 9節 地位の低い者は身をかがめm(ず)、地位の高い者はへりくだb(る)m(らない)。 それゆえ、彼をお赦しにならないように。 10節 m(おお、あなたがた悪人たちよ、)岩の中に入り、土の中に隠れよ。 主への畏れと主の尊厳の輝きが、b(ある)m(あなたがたを打つ)からである。 12節 それは、万軍の主の日がm(間もなくすべての国民に、) まことにすべての者に、すなわち、誇り高ぶる者に、 また思い上がるすべての者に臨んで、 その者は低くされるからである。 13節 m(主の日は、)レバノンの杉が高くそびえているために、そのすべての杉に臨み、 またバシャンのすべてのかしの木に臨む。 14節 また、すべての高い山、すべての丘、 m(思い上がるすべての国民、すべての人、) 16節 m(また、海のすべての船、) タルシシのすべての船、 すべての好ましい景色に臨む。 19節 主が地を激しく揺り動かされると、 主への畏れm(が彼らに生じ)、主の尊厳の輝きm(が彼らを打つ)ので、 彼らは岩の洞穴や地の穴に入る。 21節 岩の割れ目や、険しい岩の頂に入る。 主が地を激しく揺り動かされると、 主への畏れm(が彼らに生じ)、主の大いなる尊厳の輝きm(が彼らを打つ)からである。 イザヤ3章 6節 そのとき、人は自分の父の家にいる兄弟に取りすがって言う。 『あなたには衣があります。 わたしたちを治める者になって、 あなたの手でこの破滅がb(ある)m(起こらない)ようにしてください。』 11節 悪人はb(邪悪な)m(滅びる)ので災いである。 彼らの手の報いが彼らに及ぶからである。 18節 その日、主は彼女たちの鈴の音を出すb(足に付ける)飾り物、髪にかぶせる網、 月形の飾り物、 イザヤ4章 5節 主はシオンの山のすべての住まいと、その集会のうえに、 昼は雲と煙、夜は燃える火の輝きを設けられる。 m(シオンの)すべての栄光のうえに守りがあるためである。 イザヤ5章 8節 空地がなくなるまで家に家を建て連ね、b(田畑に田畑をまし加えて、) 自分たちだけが国の真ん中にいようとする者は災いである。 イザヤ7章 18節 さて、その日、主はエジプトのb(川の)果ての地にいるあぶと、 アッスリヤの地にいる蜂を呼ばれる。 イザヤ8章 1節 「さらに、主m(の言葉)がわたしに言われた。 『大きな巻き物を1巻取り、 それに普通の文字でマヘル・シャラル・ハシ・バズと書きなさい。』 4節 それは、見よ、 この子がm(まだ)「お父さん、お母さん」と呼ぶことを知b(ると)m(らないうちに、) ダマスコの富とサマリヤの分捕り品が、 アッスリヤの王のもとに運び去られるからである。』 19節 人々があなたに、『霊媒に求めよ、さえずりささやく口寄せに求めよ』と言うとき、 民は死者b(を頼る)m(から知らせを受けようとする)生者のために、 自分たちの神に求めるべきではないだろうか。 イザヤ9章 3節 あなたは民を増やし、喜びを増し加えられb(なかっ)た。 彼らは刈り入れのときに喜ぶように、 また男たちが分捕り品を分けるときに喜ぶように、 あなたの前で喜ぶ。 4節 b(ミデアンの日になされたように) あなたが彼の重荷のくびきと、 彼の肩の棒と、 彼を虐げる者の鞭を折られたからだ。 15節 その頭とは長老b(と尊き人)であり、 その尾とは偽りを教える預言者である。 イザヤ10章 23節 万軍の主なる神が、すでに定められている滅びを全地b(の中央)に及ぼされるからである。 イザヤ13章 3節 『わたしは聖別した者たちに命じた。 また、わたしの勇士たちを召した。 わたしの怒りは、わたしが高い位にあることを喜ぶ者 b(にも及ぶ)m(には及ばない)からである。』 8節 彼らはおののき、ひどい苦しみと悲しみが彼らを捕らえる。 b(子を産まんとする女のようにもだえ苦しみ、) 彼らは互いに見合って驚き、彼らの顔は炎のようになる。 15節 誇る者は皆、刺し貫かれ、 またb(彼)m(悪人)の仲間に加わる者は皆、剣によって倒れる。 22節 島々の野獣が彼らの家でほえ、 彼らの華麗な宮殿には龍が鳴く。 バビロンの時は間近であり、その日は延ばされない。 m(わたしは速やかにバビロンを滅ぼす。 まことに、わたしは自分の民を憐れむが、悪人は滅びる。』」) イザヤ14章 2節 人々は彼らを連れて、彼らの地に導く。 m(まことに、遠くから地の果てまで彼らを導く。 そして、彼らは自分たちの約束の地に帰る。) イスラエルの家はそれらを所有し、主の地は僕のものとなり、 はしためのものとなる。 そして彼らは、かつて自分たちをとりこにした者をとりこにし、 自分たちを虐げた者を治める。 4節 m(そしてその日、)あなたはバビロンの王に対して次の言葉を告げて言う。 『虐げる者がどうして果てたのか。黄金の都がどうして滅びたのか。 11節 あなたの華やかさは墓に葬られ、 あなたの琴の音b(も)m(は聞こえない)。 うじがあなたの下に敷かれ、 またあなたを覆う。 イザヤ48章 1節 イスラエルという名で呼ばれ、 ユダの水から、m(すなわちバプテスマの水から出て、) 主の名によって誓い、 イスラエルの神のことを口にしながら真実をもって誓わず、 義をもっても誓わないヤコブの家よ、 m(耳を傾けて)これを聞け。 2節 しかし彼らは、自ら聖なる都の者であると言いb(ながら)、 m(万軍の主である)イスラエルの神にとどまるb(ことをしない)。 m(まことに、)万軍の主とは主の名である。 3節 『m(見よ、)わたしは、先にあったことを世の初めから告げ知らせてきた。 それらはわたしの口から出、わたしはそれらを示した。 わたしはにわかにそれらをb(行った)m(示した)のである。 5節 そこでわたしは、まさに世の初めからあなたに告げ知らせてきた。 それが起こるに先立って、それらをあなたに示した。 m(それらのことを示したのは、) 「わたしの偶像がそれらのことをした。 わたしの彫像とわたしの鋳像がそれらのことを命じた」と あなたが言うことのないようにするためである。 7節 それらのことは、今造られたのであって、 初めからあったのではない。 b(以前には、あなたはこれを聞かなかった。) m(あなたがそれらのことを聞く前から、 それらのことは告げ知らされていた。) それは、「見よ、わたしはそれらを知っている」と あなたが言うことのないようにするためである。 10節 見よ、わたしはあなたを精錬し、 b(銀のようにではなくて、) 苦難の炉の中であなたを選んだからである。 11節 わたし自身のために、まことにわたし自身のためにわたしはこのことを行う。 b(どうしてわたしの名を汚させることができよう。) m(それは、わたしはわたしの名が汚されるのを許さず、) またわたしの栄光をほかの者に与えようとは思わないからである。 14節 あなたがたすべての者よ、皆集まって聞け。 彼らの中でこれらのことをm(彼らに)宣べたのはだれか。 その人を主は愛された。 m(まことに、その人は、彼らを通して告げ知らせてきた自らの言葉を成就し、) その望むままをバビロンに行い、 その腕をカルデヤ人のうえに下す。 15節 m(主はまた、)『m(主である)わたし、m(まことに)わたしが語った。 まことに、わたしはm(告げ知らせるために)その人を召し、 その人を連れて来た。 彼は自らの道を栄えさせるであろう』m(と言われる。) 16節 わたしに近づけ。b(これを聞け。) b(初めから、)わたしはひそかに語ったことはない。 b(それが成った時から、わたしはそこにいた。) m(初めから、それが告げ知らされたときからわたしは語ってきた。) そして、主なる神と主の御霊がわたしを遣わされた。 17節 あなたの贖い主、イスラエルの聖者なる主はこのように言われる。 『m(わたしがその人を遣わした。) あなたの益となるように教え、 あなたをその行くべき道に導く、 主なるあなたの神がb(わたしである)m(これを行った。) 22節 m(すべてこのことや、これよりもさらに偉大なことを行ってきたにもかかわらず、) 『悪人には平安がない』と主は言われる。」 イザヤ49章 7節 イスラエルの贖い主、 イスラエルの聖者なる主は、 人に侮られる者、もろもろの国民に忌み嫌われる者、 治める者の僕に向かって、 『主が真実であるためにもろもろの王は見て立ち上がり、 もろもろの王子も拝する b(イスラエルの聖者が、あなたを選ばれる) 』と言われる。 8節 主はこう言われる。 『m(おお、海の島々よ、) わたしは心にかなったときにあなたの言葉を聞き、 救いの日にあなたを助けた。 わたしはあなたを守り、 民への聖約として、 m(わたしの僕を)あなたに与えて地を築かせ、 荒れ果てた受け継ぎの地をあなたに継がせよう。 12節 m(そして、おお、イスラエルの家よ、) 見よ、これらの者は遠くから来る。 見よ、これらの者は北から、西から、 またシニムの地から来る。』 13節 おお、天よ、歌え。おお、地よ、喜べ。 m(東にいる者たちの歩みが定まるからである。) おお、もろもろの山よ、声を放って歌え。 m(彼らはもはや打たれることがないからである。) 主は御自分の民を慰め、 また苦しむ者に憐れみをかけられるからである。 14節 しかし見よ、シオンは言った。 『主はわたしを見捨てられた。わたしの主はわたしを忘れられた。』 m(しかし、主はそうされなかったことを示される。) 15節 『女が乳飲み子を忘れ、 自分の産んだ子を哀れまないことがあろうか。 まことに、たとえ女たちが忘れようとも、 m(おお、イスラエルの家よ、)わたしはあなたを忘れない。 17節 あなたの子孫は、あなたを滅ぼす者たちb(を)m(に)速やかにb(立てて)m(立ち向かい)、 あなたを荒らした者たちは、あなたから出て行く。 イザヤ50章 1節 m(「まことに、主はこう言われる。 『わたしはあなたを去らせたか。とこしえにあなたを捨てたか。』) 主は言われる。 『あなたの母の離縁状はどこにあるか。 わたしはb(だれを)m(あなたをだれのもとに)去らせたか。 どの債主にあなたを売り渡したか。 m(わたしはだれにあなたを売り渡したか。) 見よ、あなたは自分の罪悪のために自分自身を売り渡し、 あなたの母は、あなたの背きのために捨てられた。 2節 それゆえ、わたしが来たときにはだれもいなかった。 わたしが呼んだときに、m(まことに、)答える者はだれ一人いなかった。 m(おお、イスラエルの家よ、)わたしの手が短くて贖うことができないのか。 わたしには救う力がないのか。 見よ、わたしは海をしかって干上がらせ、川を荒れ野とする。 b(水がないために)m(水が乾いて)その中の魚は悪臭を放ち、渇きのために死ぬ。 4節 m(おお、イスラエルの家よ、) 主なる神は博学な者の舌をわたしに与えて、 わたしがb(疲れた者に)m(あなたに)、時宜を得た言葉を どのように語ればよいか分かるようにされた。 m(あなたが疲れているとき、) 主なる神は朝ごとに目覚めさせてくださる。 主なる神はわたしの耳を開いて、博学な者として聞けるようにしてくださる。 8節 b(わたしを義とする者が近くおられる。) m(主は近くにいて、わたしを義とされる。) わたしと争う者はだれか。 さあ、ともに立とう。 わたしの敵はだれか。 近くに来させよ。 m(そうすれば、わたしは口の力をもってその敵を打とう。) 10節 あなたがたの中で、主を畏れ、 主の僕の声に従い、 暗闇の中を歩いて光を持たない者はだれか。 b(なお主の名を頼み、 おのれの神にたよる者はだれか。) イザヤ51章 1節 「『義を追い求める者よ、b(主を尋ね求める者よ、)わたしに聞き従え。 あなたがたが切り出された岩と、 あなたがたが掘り出された穴とを思いみよ。 2節 あなたがたの父アブラハムと、 あなたがたを産んだサラとを思いみよ。 わたしは彼ただ一人を召し、 彼を祝福した。b(その子孫を増し加えた。)』 7節 義を知る者よ、 m(わたしが)心の中にわたしの律法をb(もつ)m(書き記した)民よ、わたしに聴け。 人のそしりを恐れるな。 ののしりを怖がるな。 9節 目覚めてください、目覚めてください。 おお、主の御腕よ、力をまとってください。 b(いにしえの)昔のように目を覚ましてください。 かつてラハブを切り裂き、 龍を貫いた御方は、あなたではありませんか。 11節 それゆえ、主に贖われた者は帰って来ます。 歌いながらシオンに帰って来ます。 そして、永遠の喜びm(と聖さ)は彼らの頭上にあり、 彼らは楽しみと喜びを得、 悲しみと嘆きは逃げ去ります。 12節 『m(そうしたのはわたしである。) まことに、わたしがあなたがたを慰める者である。 m(見よ、)あなたは何者なので、いつかは死ぬ人を、 また草のようになる人の子を恐れるのか。 15節 わたしはb(海をふるわせ、)波をとどろかせる、 主なるあなたの神である。 万軍の主とは、わたしの名である。 20節 あなたの息子たちは、m(この二人のほかは皆、)気を失った。 b(彼ら)m(この二人)はすべての通りの起点に当たる場所で横たわっている。 網にかかったかもしかのように、 b(彼ら)m(この二人)には主の憤り、あなたの神の責めが満ちている。 イザヤ53章 9節 また彼は、悪人とともにその墓を設け、死んでは富裕な者とともにあった。 なぜなら、彼は決してb(暴虐)m(悪)を行わず、 その口には少しの欺きもなかったからである。 イザヤ54章 4節 あなたは恥じることはないので、 恐れてはならない。 あなたは辱められることはないので、 うろたえてはならない。 あなたは若いときの恥を忘れ、 m(若いときの恥辱を思い出さず、) 寡婦であったときの恥辱を決して思い出すことはない。 9節 「このことは、わたしにはノアの洪水のようである。 わたしはかつてノアの洪水が二度と地を覆うことはないと誓ったが、 そのように、わたしはあなたを怒らないb(、責めない)と誓った。 15節 見よ、彼らは必ずm(あなたに敵対して)集まるが、 それはわたしによるのではない。 あなたに敵対して集まる者はだれであろうと、あなたのゆえに倒れる。 17節 あなたを攻めるために造られる武器は、 まったく役に立たない。 また、裁きの時にあなたに向かってb(訴える)m(ののしる)舌はことごとく、 あなたがそれを罪に定める。 これが主の僕たちの受け継ぐものであって、 彼らの義はわたしから出る」と、 主は言われる。』」
感想 ニーファイは第1ニーファイ13章で、聖書の内容が改変されることを予言している。 「その教会の者たちは、分かりやすくて大変貴い多くの部分を小羊の福音から取り去り、 また主の多くの聖約も取り去ってしまったからである。」(26節) 今回の比較によって、聖書の文章が変更されていることが分かる。 その変更部分には、転写や翻訳のミスによることもあるかもしれないが、 ニーファイが述べているように意図的なこともあるだろう。 イザヤ48章1節では、モルモン書での引用部分にのみ「バプテスマ」という言葉が 入っている。現存の旧約聖書にはバプテスマという言葉は用いられていないので、 バプテスマは新約聖書の時代にヨハネが始めたと考えられている。しかし、モル モン書を読むとニーファイの時代にもあったことが分かる。さらにモーセ書では、 アダムの時代からあったことが書かれている。(モーセ6:64-66) つまり、バプテスマはアダムの時代から現在まで、変わらずに救いに必須の儀式 であったが、サタンの影響を受けて、何者かによって、取り去られた可能性がある。 バプテスマが救いに必須の儀式であることが「分かりやすくて大変貴い部分」の 一部を指していたと思われる。

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