韓国は日本と比べるとキリスト教徒が多い。なぜか。
日本ではキリスト教信者は人口の1%未満だが、韓国では約30%である。
(日本の総人口は約1億2580万人、韓国は約5178万人。)
(日本の末日聖徒は約13万人、韓国は約9万人。)
日本では日本古来の神道を守りつつ、外国の宗教や哲学(仏教、老荘、儒教)を融和させ
ることができた。民衆レベルにこれが浸透されていたので、キリスト教が入ってきたとき、
新たな宗教を必要としなかった。
また、日本には、江戸時代や、第二次世界大戦中に、政府がキリスト教を禁じていた期間
があった。
日本の先祖を大切にする文化が、キリスト教の教えを聞かなかった先祖は救われないとい
う教えと合わなかった。
これらが、日本でキリスト教徒が少ない理由と思われる。
一方、李氏朝鮮はそれまで主力だった仏教を廃止、国策として儒教を普及させようとした。
儒教は支配階級に忠誠を尽くせという教えなので、儒教は民衆から反発をかうことになり、
一般には根付かなかった。その結果、朝鮮には宗教の空白期間が生じた。
韓国にキリスト教が増えたのは第二次世界大戦後である。アメリカの教会が韓国に入り込
み、教会、病院、学校を多くつくった。キリスト教は人々の平等を説く宗教だったので、
民衆から受け入れられた。英語を学ぶために教会に入る若者が多くいた。
韓国の初代大統領がキリスト教徒だった。彼がキリスト教を擁護し、政治的に利用した。
共産主義国と隣接しているので、それに対抗する精神的基盤にキリスト教が利用された。
それ以降、キリスト教会と政治が密接な関係を続けている。
これらが、韓国でキリスト教徒が多い理由と思われる。
この状態を見たとき、これは日本では英語が使える人が少ないのに、韓国では多い理由と
関係があると思った。
明治時代、日本では西洋の学術用語を漢字語に翻訳していった。その結果、日本語だけで
高等教育を受けられるようになったので、英語の必要性が低くなった。
一方、韓国では漢字を捨てたので、高等教育を自国語では受けられなくなった。その結果、
英語の必要性が高くなった。
韓国では、古来からの東洋の文化や文明を捨てた結果、西洋の文化や文明を受け入れざる
を得なかったのだ。
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