カートランド安全協会とは、ジョセフ・スミスの時代に、教会が設立した銀行である。
この銀行が破たんして、多くの教会員が教会から去ってしまった。
なぜ、このようなことになってしまったのだろうか。
カートランド安全協会は、入植した教会員に農地を購入する資金を融資する目的で、
1836年11月にオハイオ州カートランドで設立された。しかし、1837年8月に経営破たんし、
業務を終了した。
安全協会の破たんの原因は、日本で1990年代に起きたバブル崩壊の現象に似ている。当時、
土地バブルを起き、土地の投機に銀行から借り入れする人が多くいた。この過熱を抑える
ために、合衆国は土地購入を規制した。そのため、地価が暴落し、1837年に恐慌が起きた。
各地の銀行で不良債権が発生し経営破たんをしていった。安全協会も、その一つだった。
安全協会に出資した教会員の多くが、責任者のジョセフ・スミスに対して預言者としての
ふさわしさに疑問を持った。神からの啓示を受けている預言者だったら、こうなることを
事前に予見できていたはずだと。そして、教会から去っていったのである。
このことは、現代の私たちにも教訓になる。教会が示している、神の戒めに従っているの
に、かえって、うまくいかないということもあるだろう。それでも、戒めに従い続けられ
るだろうか。
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