ヘブライ語の聖書では、神様の名前は、エロヒムやエホバという言葉で記載されている。
「エホバ」について
・「エホバ」はヘブライ語では、子音しか書かれない。
ローマ字であらわすと YHWH になる。
・古来、神様の名前を直接言うことを畏れ、YHWHをアドナイ(わが主)と読み替えていた。
そのため、現代では正しい読みが分からなくなっている。
そこで、YeHoWaHと母音を補って、エホバ(英語ではJehovah)と読むようになった。
しかし、最近では、YaHWeHと母音を補って、ヤハウェ(英語ではYahweh)と
することが多い。
・この言葉は旧約聖書では6500回用いられている。
・この言葉は「存在する者」「私は有る」という意味であると言われている。
・この言葉は、人名の末尾に「ヤ」という短い形にして付加されることが多い。
「イザヤ(主は救い)」「エレミヤ(主に高められたもの)」「エリヤ(主は我が神)」
「ゼカリヤ(主は覚えて下さる)」「オバデヤ(主の僕)」など。
・日本語の旧約聖書では「主」と訳されている。
・英語の旧約聖書では「Lord」と訳されることが多く、「Jehovah」も所々に出てくる。
・以下は、「Jehovah」と書かれている箇所の例である。
KJはKing James version(欽定訳)、口は口語訳、共は共同訳の意味である。
創世22:14
KJ) Abraham called the name of that place a Jehovah-jireh:
口) アブラハムはその所の名をアドナイ・エレと呼んだ
共) アブラハムはその場所をヤハウェ・イルエと名付けた
出エジプト6:3
KJ) but by my name Jehovah was I not known to them.
口) 主という名では、自分を彼らに知らせなかった
共) 主という私の名は彼らに知らせなかった
出エジプト17:15
KJ) Moses built an altar, and called the name of it a Jehovah-nissi:
口) モーセは一つの祭壇を築いてその名を「主はわが旗」と呼んだ。
共) モーセは祭壇を築き、それを「主はわが旗」と名付けて
士師6:24
KJ) Then Gideon built an altar there unto the Lord, and called it a Jehovah-shalom:
口) ギデオンは主のために祭壇をそこに築いて、それを「主は平安」と名づけた。
共) ギデオンはそこに主のための祭壇を築き、それを「主は平和」と名付けた。
詩篇83:18
KJ) whose name alone is a Jehovah
口) 主という名をおもちになるあなたのみ、
共) あなたの名は主 あなただけが
イザヤ12:2
KJ) the Lord a Jehovah is my strength and my song;
口) 主なる神はわが力、わが歌であり
共) 主こそ私の力、私の歌
イザヤ26:4
KJ) the Lord a Jehovah is everlasting strength:
口) 主なる神はとこしえの岩だからである
共) 主こそとこしえの岩
「エロヒム」について
・エロヒム(英語ではElohim)は旧約聖書で「神」を表す語である。
・この言葉は旧約聖書では2250回用いられている。
・ElohimはEl(エル)の複数形であるが単数扱いで用いられる。
・この言葉は「力ある者」「全能者」という意味であると言われている。
・この言葉は、人名の末尾に「エル」という形で付加されることが多い。
「ミカエル(神に似たものは誰か)」「ガブリエル(神の人)」
「エゼキエル(神は強められる)」「ダニエル(神は私の裁き)」
「サムエル(彼の名は神)」など。
・日本語の聖書では「神」と訳されている。
・英語の聖書では「God」と訳されている。
・どちらの聖書も「エロヒム」という言葉そのもので用いられている箇所はない。
「キリスト」について
・これは人名でなく、称号である。
・ヘブライ語ではメシヤ、ギリシャ語でクリストス、
日本語ではキリスト、英語ではchrist。
・「油そそがれた者」という意味で、元来、聖職者のことを指していたが、
「救い主」を指すようになった。
当教会では「エホバ」はキリスト、「エロヒム」は天父であると説明している。
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