神殿と家族歴史活動 - 一つの同じ業

神権会のレッスン

神殿と家族歴史活動 - 一つの同じ業

ベンハミン・デ・オヨス長老
七十人

2023年4月総大会 土曜午後の部会
リアホナ 2023年5月号 52ページ


【導入】 家族をこの世で永遠に結ぶことが、天父の計画の焦点
【お話のまとめ】 神殿活動とその目的   ・1836年の春、オハイオ州のカートランド神殿にキリストが現れ、こう話した。     わたしはこの家を受け入れた。わたしの名はここにあるであろう。     わたしは憐れみをもってこの家でわたしの民にわたし自身を現すであろう。     この家の名声は諸外国に広まるであろう。     これはわたしの民の頭に注がれる祝福の初めである。   ・その後、預言者エリヤが現れ、こう言った。     マラキの口を通して語られた時がまさに来た。     マラキとは、主の大いなる恐るべき日が来る前に預言者エリヤが遣わされ、     先祖の心を子孫に、子孫の心を先祖に向けさせ、全地がのろいをもって打たれる     ことのないようにする、と証した人である。*1     それゆえ、この神権時代の鍵はあなたがたの手にゆだねられている。     これによってあなたがたは、主の大いなる恐るべき日が近く、まさに戸口にある     のを知ることができる。 神殿と家族歴史   ・結び固めの鍵が回復された後、幕の両側における救いの業が始まった。   ・世界中で、強いられずに、系図探求に興味を持つ人や組織、各種の団体が出てきた。    このことは皆、エリヤがカートランド神殿に現れて以来、起こり始めた。*2   ・教会で行われる諸儀式は一時的なものではなく、永遠に続くものとなった。*3   ・結び固めの力は、生者に対しても死者に対しても正当な権威をもって行われるもろ    もろの儀式に、意義と永遠の効力を与える。*4   ・救いと昇栄の儀式を行うために、先祖の記録を見つけ、できるだけさかのぼって家    系図を作り、神殿に名前を提出するよう勧められている。 家族歴史と神殿活動 - 一つの業   ・1894年、ウッドラフ大管長はユタ系図協会の設立を指揮した。   ・家族歴史の探求と神殿での奉仕は、教会におけるひとつの業として確立された。 家族歴史活動   ・自分の家族歴史を保存し、先祖から学び、福音の儀式を受け、聖約の道を歩み、    永遠の家族という祝福を受けるために、必要な手続きをするよう勧められている。   ・家族をこの世で永遠に結ぶことこそが、天父の計画の焦点だ。   ・不慣れな人たちへの支援手段として、ファミリーサーチセンターがある。    ワードにいる家族歴史相談員に連絡してほしい。*5   ・聖霊が業を進める能力を引き出し、先祖の名前を探すように導いてくれる。   ・家族歴史とは、単に名前、日付、場所を探すだけではない。家族のきずなをつなぎ    合わせ、彼らの福音の儀式を通して得られる喜びを感じること。   ・神殿は、救い主と主の教義の中心に据えられている。   ・信仰と不屈の霊性を強めるうえで最も重要。   ・神殿で指示と御霊を通して教えられるすべてのことは、イエス・キリストに対する    理解を深めてくれる。   ・主の必須の儀式は、神権の聖約を通して、わたしたちを主に固く結びつけてくれる。   ・聖約を守るならば、主はわたしたちを癒し強める力を授けてくれる。
【補足情報】 *1 聖典には、家族を大切にすることが、安全を保ち、地が荒廃するのを防ぐと書かれている。 「主が賜わる地で、長く命を保ち、さいわいを得る」(申命5:16) 「のろいをもってこの地を撃つことのないようにする」(マラキ4:5-6) 「そうでなければ、主の来臨の時に、全地はことごとく荒廃する」   (ジョセフ・スミス歴史1:38-39) 人類が歴史から学べることは、人類が歴史から学んで来なかったということだ。 先祖に心を向けることは、先祖が経験したことを教訓として、失敗を繰り返さないことだ。 聖典も先祖が残した記録なので、それから学ばなくてはならない。 そうしないと、愛のない人ばかりの社会、争いの絶えない社会が出来てしまう。 家庭は愛をはぐくむ場所なので、家庭が崩壊してしまうと、社会も崩壊する。 そうすると、主が再び来られる時には、この地上は悪人だけの荒廃した世界になってしまう。 現代社会は、食べ物が豊富で、快適な家があり、医療が発達して、楽園のように見える。 しかし、貧富の格差、貧しくて結婚をあきらめた若者、少子化、子供への虐待・育児放棄、 性の乱れ(ストーカー行為、ポルノ、不特定多数との性交渉)、ストレスで精神を病む者、 いじめや憎しみや争いなどがあり、荒廃に向かって進んでいるように感じられる。 *2 ・1977年にルーツというテレビドラマが放送され、先祖探しがブームになったことがある。 ・NHKでは「ファミリー・ヒストリー」という有名人の先祖を探求する番組が放送されて  いる。近く沖縄編が放送されるらしい。 *3 一般的なキリスト教会では、結婚の儀式で、「死が二人を分かつまで」と言われる。 家族が永遠に結ばれることを信じていない。 *4 一般的なキリスト教会では、霊界での伝道活動や死者への身代わりの儀式を信じていない。 フランシスコ・ザビエルは、布教していた日本人にこう言われた。 「洗礼を受ける私達は天国に行くことができますが、 洗礼を受けられなかった私達の先祖は天国に行けないのでしょうか」 洗礼を受けないと天国に行けないので、フランシスコ・ザビエルは 先祖は地獄に落ちてしまうと答えた。 すると質問した日本人が「先祖が地獄に行くなんて、あなたたちの神様は 無慈悲だし、無能じゃないか。全能の神なら先祖くらい救ってくれても いいじゃないか」って泣いたそうだ。 第一ペテロには、死んだ人々に福音が宣べ伝えられていることが書かれているが、 プロテスタントの教会でよく使われている新改訳聖書では、この部分が改訳されていて、 霊界では福音が宣べ伝えられていないことになっている。 1ペテロ3:19   日本聖書協会 口語訳     こうして、彼は獄に捕われている霊どものところに下って行き、     宣べ伝えることをされた。   新改訳2117     その霊においてキリストは、捕らわれている霊たちのところに言って     宣言されました。(つまり、地獄に行くことを宣言しただけ) 1ペテロ4:6   日本聖書協会 口語訳     死人にさえ福音が宣べ伝えられたのは、彼らは肉においては人間として     さばきを受けるが、霊においては神に従って生きるようになるためである。   新改訳2017     このさばきがあるために、死んだ人々にも生前、福音が宣べ伝えられて     いたのです。彼らが肉においては人間としてさばきを受けても、霊においては     神によって生きるためでした。 1コリント15:29   日本聖書協会 口語訳     そうでないとすれば、死者のためにバプテスマを受ける人々は、なぜそれをするのだろうか。     もし死者が全くよみがえらないとすれば、なぜ人々が死者のためにバプテスマを受けるのか。   新改訳2017     そうでなかったら、死者のためにバプテスマを受ける人たちは、何をしようとしているのですか。     死者は決してよみがえらないのなら、その人たちは、なぜ死者のためにバプテスマを受けるのですか。   新改訳2017にも「死者のためにバプテスマ」を行っていたことが記載されている。   プロテスタントのある牧師の解釈では、以下のとおりである。   当時、死者のためのバプテスマを行っていたクリスチャンのグループがあった。死者   のためのバプテスマは正統的教義ではなかった。当時、教会に正しくない考えを持ち   込んだクリスチャンのグループがいたが、その一つだった。異端の彼らでも、死者が   復活するという正しい教義を信じているということをパウロは記したに過ぎない。 *5 ・ファミリーサーチセンターは那覇の教会堂の2階へ階段をのぼって左の奥の部屋。 ・家族歴史相談員が那覇第二ワードで召されている。 神殿や家族歴史活動で私が経験したこと。   5月の連休のときに、東京神殿で自分の父のエンダウメントの儀式をしてきた。   神殿に入るのは約20年ぶりだったので、エンダウメントの儀式もいろいろと   言葉が変わっていて、とても緊張した。父は今から10年前の2013年に亡くなった。   神殿の儀式は2016年にイニシアトリまで終わっていたが、それから先に進んでいな   かったので、気がかりだった。時々、父の夢を見るたびに、このことを思い出して   いた。やっとエンダウメントの儀式を済ませることができて、ほっとしている。   また、私が再び神殿に入れるような状態になるまで、なぜか、父のエンダウメント   が行われずにいたことに、感謝した。(神殿と共有していたので、他の人が儀式を   行っていてもおかしくなかった。)   家族歴史の提出は、役所の除籍謄本で得られる範囲で、直系の先祖とその子供の記録   まですべて終わらせていたので、これ以上できないと思っていた。しかし、沖縄神殿   ができることをきっかけとして、傍系、つまり、直系の先祖の子供の子孫まで、調べ   るよう促しを受けたので、行ってみると、約270名を神殿に提出することができて、   驚いた。   先祖の記録を作って提出する作業が、ときに困難を伴う大変な作業なのだが、   提出するたびに、その人が喜ぶ姿を想像することが、励みになった。   次のようなことを想像していた。   記録を提出すると、霊界では、その人にお知らせが行く。   「今、あなたの記録が提出されました」と、その人は待ちに待ったその時が来たこと   をとても喜ぶ。まわりにいる人も良かったねと、言葉を掛ける。   今まで何百人もの記録を提出することを続けられてきたのも、これがあったから。   私が死んで霊界に行ったとき、既に亡くなった親や祖父母、まだ見たことのない先祖が   出迎えてくれるかもしれないと思うと楽しみ。   これは家族の身代わり儀式を神殿で行なった者の特権。 聖書の神は古来から家族を大切にするよう伝えてきた。   聖書には、ところどころに系図が載せられている。   例)創世記5,10,11,25,36,46,歴代志上1-8,マタイ1,ルカ3   聖典には、家族を大切にすることが、安全を保ち、地が荒廃するのを防ぐと書かれている。   「主が賜わる地で、長く命を保ち、さいわいを得る」(申命5:16)   「のろいをもってこの地を撃つことのないようにする」(マラキ4:5-6)   「そうでなければ、主の来臨の時に、全地はことごとく荒廃する」     (ジョセフ・スミス歴史1:38-39)   このように、古来、ユダヤ人は先祖とのつながりを大切にしてきた。   人類が歴史から学べることは、人類が歴史から学んで来なかったということだ。   先祖に心を向けるというのは、先祖が経験したことを教訓として、   失敗を繰り返さないことだ。   聖典も先祖が残した記録なので、それから学ばなくてはならない。   そうしないと、愛のない人ばかりの社会、争いの絶えない社会が出来てしまう。   家庭は愛をはぐくむ場所なので、家庭が崩壊してしまうと、社会も崩壊する。   そうすると、主が再び来られる時には、この地上に悪人だけになってしまう。   また、現代の預言者への啓示では、アダムとエバに至る家族の結び固めの鎖が、   天父とキリストにつながれることが明らかにされている。   一方、現在の一般的なキリスト教会では、福音を知る機会のなかった先祖には救いがない   と、主張していて、家族や先祖とのつながりについては、関心を示さない。   末日聖徒イエス・キリスト教会は家族と先祖とのつながりを大切にするという聖書の教え   を現在に回復している。   神殿での儀式は家族に関するものである。   カートランド神殿で回復された3つの神権の鍵が神殿の儀式に関与する。   ・イスラエルの集合の鍵     この鍵は、エンダウメントに関係している。     この儀式によって、イスラエルを集める力が与えられる。     宣教師は伝道活動する前にエンダウメントを受けてこの力を得る。     これによって、私たちはイスラエルという大家族に加わる。   ・アブラハムの福音の鍵     この鍵は、日の栄えの結婚に関係している。     これによって、私たちは昇栄したのち、霊の子供を設けて、     神のように霊の家族を作ることができる。   ・結び固めの鍵     この鍵は、親子の結び固めに関係している。     これによって、私たちの家族が先祖とともに永遠に結び固められる。   「いかなる成功も家庭の失敗を償うことはできない。」   (No other success can compensate for failure in the home.)   これはイギリスの政治家、ベンジャミン・ディズレイリ   (Benjamin Disraeli:1804〜81)の言葉である。   末日聖徒イエス・キリスト教会、第9代大管長、   デビッド・O・マッケイは、この格言を好んで使っていた。   そのため、これを彼のオリジナルだと勘違いしている教会員が多い。   ベンジャミン・ディズレイリはユダヤ人である。   家族や先祖を大切にする伝統はユダヤ人の中に残っている。   ちなみに、Disraeliの中にisraelが隠れている。   これはイスラエルから来たものという意味である。 ネズミの楽園実験(UNIVERSE25)   エリヤが来なければ、全地はことごとく荒廃すると言われているが、   実際、どのように荒廃するのかを実証するような実験がある。   雄雌4組のネズミを、食べ物、水が充分にあり、温度も快適、病気や天敵もない、居住   スペースも充分にある環境に置いた。   しばらくは、順調に数を増やし、繁栄していったが、やがて次のような弊害が発生した。   ・雄の間に争いが生じ、強い雄と弱い雄の間で格差が生まれた。   ・少数の強い雄は広い場所を占有し、大多数の弱い雄は狭い場所に密集した。   ・強い雄と、その雄のハーレムに入れた雌だけが普通に子供を作っていったが、    弱い雄と、ハーレムに入れなかった雌は子供を作ることに消極的になった。   ・ストレスにより、流産や不妊の雌が増えた。   ・ストレスにより、狂暴化するものや無気力になる者が多くなった。   ・社会全体に子供や弱い者に対する虐待が生じた。   ・性が乱れた。手当たり次第に雌を求愛する者。ストーカー。小児性愛者。同性愛者。   ・努力しなくても飲み食いできるので、食べることと寝ることしかしない者が、    大多数を占めた。これらは生殖活動をまったくしなかった。   ・4000匹が充分暮らせるスペースがあったが、2000匹を頂点に減少し始めた。   ・やがて、社会全体が子供を作らなくなり滅んだ。   物質的な原因では、滅ばない環境だったのに、社会的な原因で滅んだのである。   エリヤの霊(家族を作りたい、家族を大切にしたい、先祖や子孫に心を向けたいという   気持ち)が無ければ、人類は、このネズミたちのように、野生の本能のままにふるまい、   社会が滅んでしまう。   現在の日本の社会の状況を見ていると、食べ物は豊富にあり、水も水道の蛇口をひねれば、   簡単に手に入る。快適な家に住み、病気になっても医療が発達していてすぐ治療できる。   都会に住んでいれば危険生物に遭うこともない。しかし、貧富の格差、貧しくて結婚を   あきらめた若者、少子化、子供の虐待・育児放棄、性の乱れ(ストーカー行為、同性愛、   多数との性交渉)、ストレスで精神を病む者、いじめや憎しみや争いなどがあり、実験   の結果のように、絶滅に向かって進んでいるように感じられる。   モルモン書では、富への執着心と性的不道徳が、社会を荒廃させたことが記録されている。   モルモン書に出てくるヤレド人やニーファイ人は、この実験のネズミのように滅んだ。 神殿とイスラエルの集合の関係         学校の遠足では、「学校に戻って来るまででなく、家に帰るまでが遠足」と言われるが、   イスラエルの集合でも、「バプテスマまででなく、神殿で結び固められるまでがイス   ラエルの集合」である。   将来、日の栄えの王国に入ることになるが、それは、イスラエルが拡大したものが、   日の栄えの王国なので、イスラエルに所属した時点で、日の栄えの王国に入ったよう   なものである。   福千年の間に全人類の儀式をこなすのに神殿はいくつ必要か     アダムの時代から現在までにこの地上に生まれた人の数は約1000億人。     年間1億人の儀式をこなさないといけない。     1つの神殿でこなせる人数       一番時間のかかるエンダウメントで1日6セッション。       1セッションで60人。       1日では360人の儀式ができる。       日曜日を除いて年間300日神殿を稼働させたとして、約10万人。     約1000の神殿が必要。     建設予定の神殿を含めると、現在、神殿は315ある。     福千年までに、この3倍の数が必要になる。     日本には4つの神殿があるが、12まで増える必要がある。     日本には6つの伝道部があるので、1伝道部あたり、2つ。     福岡伝道部にはすでに、福岡神殿と沖縄神殿の2つある。 イスラエルの集合   イスラエルの集合は単に「伝道」を言い換えたのではなく、もっと広い意味を持って   いる。それを理解するためには、「イスラエルの散乱」について、そして、散乱が起   こる前の状態であった「アブラハムの聖約」について知らなければならない。イスラ   エルの集合の目的はこの「アブラハムの聖約」に戻ることである。        ・創世記に登場するアブラハムは神と聖約を交わした。男子はみな割礼をうけた。      アブラハムとサラは日の栄えの結婚をした。この聖約はアブラハムの子孫であ      るイスラエルの民に引き継がれた。     ・この聖約は現代では、昇栄するのに必要な神殿の儀式に受け継がれている。      (下記「アブラハムの聖約と現代の神殿の聖約の比較」を参照)     ・アブラハムの子孫を通じて世界人類を救う計画が立てられた。     ・神はアブラハムと聖約を交わしアブラハムに以下の3つを約束した。       ・土地の約束        アブラハムはカナンの地(後のイスラエルの地)に行くよう命じられた。        この地はアブラハムの子孫に与えられた。        永遠の行く末では、日の栄えとなった地球が与えられる。       ・子孫の約束        子孫が地のちりのように、天の星のように、浜べの砂のように多くなる。        永遠の行く末では、神のようになり、多くの霊の子供達を設ける。       ・祝福の基となる約束        子孫は大いなる国民となり、全人類への祝福の基となる。        子孫を祝福する者は祝福され、子孫をのろう者はのわれる。        子孫からキリストが生まれ、全世界の祝福となる。        子孫は聖書やモルモン書をもたらす。        子孫は福音と神権を持つ。福音を全人類に宣べ伝え、神権で祝福する。        ユダヤ人は社会の進歩に貢献している。        ユダヤ人の人口は全世界の0.2%だが、ノーベル賞受賞者は全受賞者の        20%を占める。著名なユダヤ人に以下の人々がいる。          アインシュタイン(物理学)          オッペンハイマー(物理学)          ファインマン(物理学)          ノイマン(コンピュータ科学)          フロイト(心理学)          レヴィ=ストロース(民俗学)          クルーグマン(経済学)          チョムスキー(言語学)          ディズレーリ(政治家)          ロスチャイルド(銀行家)          ドラッカー(経営学)          ザッカーバーグ(企業家)          スピルバーグ(映画監督)        永遠の行く末では、神として、霊の子供達に祝福を与える。     ・福音を受け入れバプテスマを受けた人も、アブラハムの子孫に加えられる。      末日聖徒イエス・キリスト教会の教会員もこの聖約にあずかる。     ・これらの人々は聖約の民と呼ばれる。        ・しかし、やがてイスラエルの民は不義になり、神に背き、預言者に背き、預言      者を殺し、この聖約から離れた。神はイスラエルを罰し、イスラエルは弱体化      し、他国に侵略され、世界各地に散乱した。       ・紀元前721年、北のイスラエル王国がアッシリアに滅ぼされ、連れ去られた。        その後、彼らは北方に逃れ、行方知れずの10部族と呼ばれるようになった。       ・紀元前600年、リーハイの家族などがアメリカ大陸に移住した。       ・紀元前597年、南のユダ王国がバビロンに滅ぼされ、連れ去られた。       ・紀元前537年、バビロンを征服したペルシャにより、帰還できた。       ・紀元135年、ローマに滅ぼされ、ユダヤ人が全世界に散らされた。     ・イスラエルの民は散乱したが、その結果、現在、全世界にイスラエルの民の子      孫が存在する。       ・イスラエルの文化や伝統の痕跡が世界中の民族の中に見られる。       ・日本では、神社が古代の神殿に似ている、山伏の格好がイスラエルの修行        者の格好に似ている、みこしが契約の箱と似ている、神社に偶像がない。       ・沖縄の祭りや言い伝えに古代ユダヤと共通するものがある。        蛇が女を惑わすという民話、過越しに似た看過(カンカー)、御嶽に偶像        がない。       ・アメリカの先住民族が使っていた石投げ器が古代のユダヤ人が使っていた        ものと同じだったり、彼らの信じている神がキリストと共通点があったり        する。     ・モーセを含む古代の預言者はイスラエルの散乱について預言した。        ・1836年、カートランド神殿で神権の鍵が回復されたことにより、イスラエルの      集合が開始された。モーセがイスラエルの集合の鍵、エライアスがアブラハム      の聖約、エリアが結び固めの鍵を回復した。イスラエルの集合の鍵によって、      イスラエルの民を集め、集められた生者と死者は神殿でアブラハムの聖約と同      様の聖約を交わし、イスラエルの大家族として結び固められて、二度とバラバ      ラにならないようにする。     ・エノクからジョセフ・スミスに至るまで、古代と現代の預言者は、将来聖約の      民がもう一度集められると預言している。     ・イスラエルの集合は、キリストの再臨の前兆となるものである。     ・人々が特定の場所に集まるよう求められることもあるが、現代においての集合      は人々が福音を受け入れ、儀式を受け、聖約を結ぶという形で行われる。     ・直接の血統を通して、またはバプテスマを受け、聖霊の賜物を受けて養子にさ      れることで全ての人がイスラエルの家に数えられることができる。     ・祝福師の祝福を受けることで、イスラエルのどの部族に属するか知ることがで      きる。     ・モルモン書は「イスラエルの家の残りの者」、そして「ユダヤ人と異邦人」の      ために書かれ、末日における集合にかかすことのできない道具である。     ・霊的な集合は、イスラエルの子孫が、キリスト教会に加わることである。     ・物理的な集合       ・ユダの部族(ユダヤ人)がイスラエルの地にもどる。        (1949年にイスラエル建国)       ・ヨセフの部族(先住アメリカ人等、世界中に散らばったヨセフの部族の子        孫)に福音が伝えられアメリカに集合する。(現在進行中)       ・行方知れずの10部族が北方の地より帰ってくる。(将来)        ユダの木(聖書)とヨセフの木(モルモン書)と失われた10部族の書は        将来一つに合わされる。     ・集められたイスラエルの民はシオンを築く。シオンの中心地はアメリカ合衆国      ミズーリ州に作られる予定だが、そこからシオンは全世界に広がる。よって、      皆がアメリカに物理的に集まる必要はなく、自分の国の自分の地域でシオンを      築くことになる。   イスラエルの集合の目的と範囲     「イスラエルの集合」という言葉から、これはイスラエル民族(ユダヤ人)だけ     に関することと思われがちだ。イスラエルの集合は、ユダヤ人がパレスチナの地     に帰還して、イスラエル国家を作ったことだけではない。これは、神の全ての子     供たちの救いに関することである。     神はイスラエルを使って全ての子供たちに救いをもたらす。イスラエルは手段で     あって、目的ではない。     イスラエルは、神から特別に救いを与えられるという「選民」ではない。     イスラエルは、神の全ての子供たちに救いを与える「選民」である。     イスラエルは「高められる」ためでなく、人を「高める」ために選ばれた。     イスラエルの集合の目的は、全ての神の子供たちが神の元に集められ、神殿で救     いと昇栄に必要な儀式を受けることだ。だから、イスラエルの集合の御業は、伝     道だけでなく、神殿・家族歴史活動にも及ぶ。     イスラエルの集合は、ユダヤ人以外にも、世界各地に散らばっていて、自身がイ     スラエルの血統だと自覚していない人々にも当てはまる。また、地上に生きてい     る人々だけでなく、霊界にいる死者たちにも当てはまる。現世と霊界の両方で行     われる神の御業である。   アブラハムの聖約と現代の神殿の聖約の比較     ・割礼        現代:ガーメント(見えない所にしるしがある)     ・天地創造の示現を受ける(アブラハム書4,5)        現代:エンダウメント(天地創造の映像)     ・日の栄えの結婚(教義と聖約131:1-4;132:19,29)        現代:神殿結婚(夫婦の結び固め)     ・カナンの地が子孫に与えられる。        現代:将来、天の御父と共に住む。日の栄えと化した地球を受け継ぐ。     ・数多くの子孫を持つ。        現代:将来、昇栄して神のようになり、数多くの霊の子供たちを持つ。     ・子孫が福音と神権を持ち、全人類に救いをもたらす。        現代:全人類が福音を伝えられ、神殿の聖約を通して祝福を受ける。           さらに将来的には神々となり、霊の子供をもうけ、彼らに祝福を授ける。   カートランド神殿で授けられた3つの鍵はイスラエルの集合の目的に結びついている。     ・モーセは「集合の鍵」を授けた。       この世と霊界での伝道。       ユダヤ人のエルサレムへの帰還。       行方知れずの十部族を導く。       アブラハムの家族になる。         バプテスマを受けることによって、アブラハムの家族に養子縁組される。     ・エライアスは「アブラハムの福音」を授けた。       エンダウメントと力。       日の栄えの結婚。       アブラハムの受けた3つの約束に関連する。       アブラハムの家族として昇栄する。         救いは個人の問題だが、昇栄は家族の問題と言われる理由である。     ・エリヤは「結び固めの鍵」を授けた。       親子の結び固め。       アブラハムの家族として結び固められる。         神殿の儀式を受けることによって家族が結び固められる。   アブラハムの子孫が天の星の数になることについて     天の星は1千億ほどある。この地上に生まれた人類は1千億人ほどいる。     今ユダヤ人は1千万人ほど。しかし、イスラエルの散乱により、     アブラハムの子孫なのに、アブラハムの子孫の自覚がない人々も多い。     日本や沖縄にもイスラエルの文化、風習がみられる。     まったくの異邦人でも、バプテスマを受けるとアブラハムの子孫として養子縁組     される。     福千年では、全人類のための死者の身代わりの儀式が行われる。     そのことによって天の星ほどの数の人々がアブラハムの子孫となる。     千年間に1千億人の儀式を行なうには1年間に1億人の儀式をこなす必要がある。     神殿の数は計画中のものを含めて300。     1日で1神殿でこなさなければならない死者の人数は、約1000人。

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