神権会のレッスン
2019年10月の総大会
「私に従ってきなさい - 主の対抗手段と先を見越した計画」
(中央日曜学校会長 ペイス兄弟)より
【導入】
・今回のテーマは「サタンの攻撃に対抗するために『私に従ってきなさい』を活用する」
・主は御自分の民をサタンの攻撃に対して備えている。
『私に従ってきなさい』は、主の対抗手段と先を見越した計画である。
・『私に従ってきなさい』に取り組むことの重要性を再認識し、ミニスタリングブラザー
として各担当家族をどのように助けることができるか考えていきたいと思います。
「家庭中心、教会サポート」とはどういう事でしょうか。
この新しいプログラムを発表したときネルソン大管長がどのような警告をされたでしょうか。
【注釈】
・キリストが漁師たちに「私に従ってきなさい」と言っているところの絵を見せる。
ペテロとアンデレに声をかけていると思われる。ヤコブとヨハネにも声をかける。
ピリポや取税人マタイにも「私に従ってきなさい」と声かけた記録が福音書にある。
彼らは「私に従ってきなさい」と言われてキリストの弟子になった。
ある金持ちの青年は「私に従ってきなさい」と声を掛けられて弟子にならなかった。
キリストの「私に従ってきなさい(follow me)」の呼びかけで、彼らは弟子(follower)になった。
・絵を指して、「こちらが古代の私に従ってきなさいです。」
『私に従ってきなさい』を指して、「こちらが現代の私に従ってきなさいです。」
・『私に従ってきなさい』とは、家庭学習と日曜学校の資料として提供されているもの。
2年前の日曜学校の資料と、今年の『私に従ってきなさい』を見せる。
【お話のまとめ】
ウィニペグ神殿の基礎
カナダのウィニペグ神殿の建設現場を訪問する機会があった。ウィニペグの凍結と融解を
繰り返す膨張性の高い土壌の性質から、神殿の基礎を整えるのは困難な作業となった。
70本の杭を地表からおよそ15メートル下にある岩盤に達するまで地面に打ち込んだ。
頑丈で強固な基礎が築き上げられている。
私達も人生の中で堅固な基を求めている。この基はキリストへの改心という岩の上に築かれる。
その基の上に築くならば、倒れることなどあり得ない。
預言者や使徒の勧告に従うなら、キリストの上に確固とした基を築くことができる。
ネルソン大管長の勧告
・教会の長期的な目標は、キリストと贖いに対する信仰を増し、神と聖約を交わして守り、
家族を強めて結び固められるように、すべての会員をサポートすること。
・敵対者は、信仰や個人と家族への攻撃をすさまじい勢いで増大させている。
霊的に生き残るには、対抗手段と先を見越した計画が必要。
・家庭を福音学習の中心の場所に改めるよう熱心に取り組むならば、
生活と家庭におけるサタンの影響力は減少する。
・家庭を中心として教会が支援する新たな統合教科課程には、
家族の力を解放する潜在的な力がある。
・家庭を信仰の聖所に変えるよう、誠実に、注意深く努力を続ける必要がある。
・個人の霊的成長に対する責任は、各自にある。
【注釈】
・2018年10月の総大会、ネルソン大管長「開会のあいさつ」
(リアホナ2018年11月号6ページ)
・敵対者が攻撃をすさまじい勢いで増大させていることについて
・インターネットの影響が大きい。
・地上波のテレビがコンプライアンスの意識が高くなっているのに反して、
インターネットは邪悪の吹き溜まり、無法地帯になっている。
インターネットによって、違法薬物の入手がしやすくなっていたり、
インターネットで犯罪を請け負うものがいたりする。
・インターネットの約3割はポルノが占めている。健全と思われるものサイトでも、
ポルノサイトや詐欺サイトに勝手に誘導されるものがある。
・教会員の信仰を失わせようとするサイトもある。
例えば、教会幹部が信者の献金で私腹を肥やしているとか、
高級車に乗ったり、飛行機のファーストクラスで移動しているとか書いてある。
(このことに対して、教会は献金が適切に使われているというコメントを出した。
実際は教会幹部には元々事業で成功した人が多いので、自分の金でやっている。)
アブラハム書の元となったエジプトのパピルスが見つかったが、
学者が調べてみると、アブラハム書とは全く違う内容だったとか、
エンダウメントの儀式は、フリーメイソンの儀式のパクリだとか。
求道者、新会員、青少年の会員が見ると、教会に不信感を抱いてしまうものがある。
しかし、私たちが聖霊の賜物を使うことに熟達していれば、
このような不確かな情報に振り回されることなく、
疑問があれば、直接、神様から答えをいただくことができる。
・悪の増大は、神の御業の増大と比例している。
悪魔たちが神の御業を妨害しようとしている。
キリストが最初に来られたときも、ユダヤでは悪が最大になった。
奇跡を行い続けていたかたを通常ならだれでも神様と認めるだろう。
しかし、そのかたを死に至らしめた。
地上に生まれた人間は700億人と言われている。
3分の1が悪魔なので、350億人いると思われる。
世界中の悪魔たち350億人がイスラエルに集結したからだと思う。
そのために『私に従ってきなさい』が与えられた。
・会員が家庭で福音を学びやすくなるように作られている。
・すべての個人と家族のためのリソース。
・信仰と霊性、天父とキリストに対する改心を深めるもの。
・教会と家庭で行うこととのバランスをうまく取ることができる。
・聖文や福音の教義、預言者や使徒の教えを学ぶうえで役に立つ。
効果
・キリストへの信仰と献身において成長した。
・週を通して、個人や家族が救い主の言葉を研究する時間を取っている。
・家庭で聖文を研究し、気づいたことを教会で分かち合うようになった。
・聖文を単に読むことから、深く研究するようになった。
・家族の喜びが増し、一致が強まった。
教会員のコメント
・子供たちに救い主について証する機会がある。
・親の証を聞く機会がある。
・神を第一にする方法について霊感を受けた。
希望や喜び、平安、成功に満ちた時間になった。
・今までよりはるかに多くのことを学んでいる。
物事を違った角度から見るようになった。
・一緒に同じことを学べる。読むだけでなく、学ぶようになった。
・以前は、聖文がレッスンの補足になっていたが、
今は、聖文を補うものがレッスンになった。
・キリストと自分たちの信条について人に話しやすくなった。
・日曜日に子供や孫に電話をして、一緒に学んだことを分かち合っている。
・救い主が個人的に教え導いているように感じる。天の霊感を受けている。
・入口の柱に印を付けて、滅ぼす者の影響から家族を守っている。
* 補足事項「過ぎ越し」を参照
家庭を福音学習の中心にすることによって、キリストと主の福音への改心を強める。
週を通して福音を学ぶ。教会を1時間短くするのではなく、教会を6日間長くする。
主は、『私に従ってきなさい』を用いて、苦難の時代のために備えている。
主は、堅固な基を築けるよう助けている。
これはキリストへの改心という岩にしっかりと支えられた証の基である。
【補足情報】
・過ぎ越し
出エジプト記12章の出来事。
主がエジプトで奴隷になっているイスラエルの民を解放しようとしたとき、
イスラエルの民の家の入口に羊の血を塗るように命じた。
血を塗っていない家は、疫病が来て、その家の長男が死んだ。
血を塗った家は、疫病が過ぎ越して、誰も死ななかった。
エジプト人の全ての家に死者が出たが、
イスラエルの民の家には全く死者が出なかった。
この機をとらえて、イスラエルの民はエジプトから脱出することができた。
ちなみに
・このことを記念して、ユダヤ教では、今でも、復活祭と同じ時期に、過ぎ越しの祭
を行い、家の入口に羊に血を塗る。
・羊の血と、長男が死ぬことは、キリストの贖いの犠牲を予表している。
復活祭と同じ時期なのは偶然でなく、キリストの血によって、私達の霊の死(神様
から切り離されること)が過ぎ越すことを表している。
・過ぎ越しの祭は、春分の後の最初の満月の日に行われる。(2020年は4月8日)
復活祭はその後の最初の日曜日に行われる。(2020年は4月12日)
春分、満月はそれぞれ、復活を連想させる。神がその日に過ぎ越しの祭を定めた。
そして、その日にゲツセマネで贖罪を行われた。これは偶然ではない。
・ユダに裏切られなくても、いずれ、キリストは捕まって処刑されただろうが、
過ぎ越しの祭のタイミングにはならなかっただろう。
・入口の上と左右に血を塗った様子は、日本の神社の鳥居に似ている。
・沖縄にはカンカー(看過)という、家の入口に動物の血を塗って、厄災を避ける風
習がある。
・『私に従ってきなさい』が従来の日曜学校の資料から変わった点
・ページが増えた。豊富な視覚資料。いろいろな学習のアイデア。読んでいて楽しい。
・また、単に知識を得ることだけでなく、次のことを強調している。
・主に助けを求める。
聖文は霊感によって与えられたので、聖文を真に理解するには、個人として
啓示を受ける必要がある。
・御霊に耳を傾ける。
研究するときに、自分が読んでいるものと無関係に思えたとしても、自身の
考えや気持ちに注意を払う。このような印象こそ、神が私達に知り、実行し
てほしいと思っておられることかもしれない。導いてくださる御霊に敏感に
なる必要がある。
・毎日啓示を求める。
啓示は一度にではなく『教えに教え』を加えて与えられる。福音研究は、特
に時間を取ってするものだけでなく、普段行っているものの中にもある。
・疑問を持ちながら学習する。
聖文を学習しているときに湧いてくる疑問についてよく考え、その答えを探す。
・自らの霊的な洞察を得る。
個人としてまた家族として学習するときに、学習の対象の聖文だけに限定しない。
主は、別のところに、私達のためのメッセージを準備しておられるかもしれない。
よく祈って、メッセージを探求すべき。
・洞察を共有する。
個人学習から学んだ原則について話し合うことは、自身の理解を深めるのに役立つ。
・印象に残ったことを記録する。
何か感じたことや頭に浮かんだことがあれば、それを書き留める。
すると主は私達を祝福し、より頻繁に啓示を与えてくださる。
・聖文を自分の生活に当てはめる。
聖文に出てくる話や教えが自分の生活にどう当てはまるか、読みながらよく考える。
・学んだことに基づいて行動する。
学んでいることを自分の生活に当てはめる方法について御霊のささやきに耳を傾ける。
・神の愛を見つける。
福音は愛の福音であり、神への愛であり、互いへの愛である。
・要するに、私達が、
・聖霊の賜物を使って、啓示を受けられるようになり、
・自身の生活を改善し、(改心、悔い改め、苦難や弱さや欠点や不完全さの克服)
・救い主のような愛を持てるようになる
ことを目的としている。
・また、別に例えるなら、魚を与えてもらうのでなく、自分で魚を取れるようになること、
つまり、全ての教会員が預言者になることを目的としている。
・私の『私に従ってきなさい』の活用例
私の場合は一人暮らしなので、一緒に学べる相手がいない。
しかし、気に入ったところ、気になったこと、気が付いたことなどを、
分かち合いたいので、そのことを、インターネットに書いている。
実際に、読んでくれている人がいるかどうか分からないが、
満足感を得られるし、心の中に学んだことが定着するので良い。
また、以前にも増して、深い洞察を得られていると思っている。
例えるなら、生徒が自由学習ノートを書いて教師に提出している
ような感じである。
【追記】
2020年2月23日(日)に、この神権会のレッスンをする予定だったが、22日に、新型コロナ
の影響で、当面、日曜日の集会は、聖餐会しかしないと、通達があって、このレッスンは
行われなくなった。
早くこの疫病が過ぎ越してくれるよう祈っている。
2018年10月の総大会でネルソン大管長は「開会のあいさつ」で次のように言っている。
「教会が引き続き世界中に広がるに当たり、多くの会員が礼拝堂のない地域や、
礼拝堂が建つ見通しのない地域に住んでいます。ある家族は、そのような状況のために、
自宅で集会を開く必要がありました。」
今後、いろいろな災害等で、集会ができないことの考慮して、主は家庭で福音を学習する
手段を整えられたのだと感じた。敵対者の攻撃の中には、疫病、災害、戦争などで、教会
の集会をできなくすることも含まれているのだと思った。
リアホナ2018年2月号の記事「心の中まで禁止令を敷くことはできません」より
ガーナでは、教会の悪い噂がたち、政府から教会の集会が禁止された。しばらく、家庭で
聖餐と福音学習をしていた。政治状況の悪い国では、教会で集会ができない場合が起こる
かもしれない。そのため、家庭がその変わりをしなければならない。
また、家庭での福音学習については、中国の末日聖徒に向けたものだと感じた。中国では、
隠れクリスチャンが約6000万人いると聞いている。隠れ末日聖徒も何万人もいるかも
しれない。彼らは自宅で信仰を続けている。教会では明らかにはしていないが、教会のト
ップはこのことを把握していると思う。
中国から日本にバプテスマを受けに来た人の話。
数年前、中国から日本に約70名の人がバプテスマを受けに来た。バプテスマ会は渋谷の
教会で行われた。夕方5時から始まり9時頃までかかった。バプテスマの衣装を集めるの
が大変だったようだ。ご存知のように中国では外国の宗教団体の活動は認められていない。
バプテスマを受けるために外国に行かなければならない。これらの人々は、ある会社の社
員で、社員旅行の名目で日本に来た。この社長はアメリカに留学していたときに改宗した。
会社の社長が社員たちに福音を伝えた。
中国のG兄弟の人生(家族に危害が及ぶため匿名にしている)
2017年10月、一人の末日聖徒がユタ大学のキャンパスで銃で撃たれて殺された。中国人の
G兄弟だった。犯人はコロラドで殺人を犯し、ユタ大学にやってきて、車を奪うために、
彼を銃で撃って、その車で逃走した。
プロボで一番多い改宗者は中国人だったので、伝道部会長は中国語を話せる宣教師を送っ
てくれるよう教会本部に依頼した。すると二人の中国語を話せる宣教師が送られてきた。
その一人がG兄弟だった。彼は多くの中国人を教会に導いた。
G兄弟は中国の北京で生まれた。15歳になったときに、友達の間でお酒を飲むパーティ
があった。その中で、一人だけお酒を飲まない友達がいた。お酒を飲まない理由を尋ねた
が、言えないという返事だった。
中国では、自分が末日聖徒だと分かると命に係わることだった。中国から、ユタに留学に
来て、改宗した人が、中国に帰るときには、大管長会から、次のような手紙を受け取る。
「あなたは、自分の国に帰ると、バプテスマを受けたこと、クリスチャンであることを、
誰にも言ってはいけません。それは、あなたの命に係わるからです。」
G兄弟は、後日、お酒を飲まない友達の家に行ったとき、その理由をひつこく尋ねた。
すると彼は、奥の部屋に入って一冊の本を取ってきた。モルモン書と書いてあった。そし
て、彼はモルモン書を渡して、言った。「僕は、もうこれ以上言えない。しかし、これを
読むと答えが分かる。」G兄弟は、お酒を飲めない理由を探すために、モルモン書を読ん
だが、見つけることができなかった。しかし、それよりも価値があることが書いてあった。
こんなこと誰も教えてくれなかった。そして、モルモン書に書いてある勧めに従って、ひ
ざまずいてお祈りをした。すると、すべてが分かった。その夜、両親の元に行って、神様
がいるのが分かったと告げた。しかし、これから先どうしていいのか、分からなかった。
いろいろ調べてみると、香港に神殿があるのが分かった。長い時間をかけて列車で北京か
ら香港まで行った。香港神殿にたどり着いたとき、その近くの伝道本部から二人の宣教師
が出てきた。神殿の前にたたずんでいるG兄弟を見て、宣教師は声をかけた。G兄弟は警
察だと思い逃げようとしたが、胸のタグの末日聖徒イエス・キリスト教会の文字を見て、
教会の人達だと分かって、話を切り出した。「私はモルモン書を読みました。神様がいる
ことを知っています。モルモン書は真実だと分かります。私はどうすればいいですか。」
彼は数日しか香港にいられなかったので、この間にレッスンを受けて、バプテスマを受け
て、アロン神権を受けた。宣教師たちは、北京に支部があることを伝えた。おおやけには
言えないが、そこで隠れて信仰を続けている。彼は、北京に戻って、支部に行ってみると、
そこには、中国人の教会員は7人しかいなかった。彼は、2人目のアロン神権者だった。
彼は伝道に出られる年齢になったとき、北京の大学に合格した。辞退すると二度とその大
学の試験を受けられない。彼は悩んだ。親は大学に行くことを望んだ。しかし、母はその
とき、バプテスマを受けていたので、どちらを選ぶか任せてくれた。彼は伝道に出る決意
をして、申請書を出したら、赴任地はユタ州のプロボだった。プロボで懸命に伝道した。
伝道中に父から手紙が来て、伝道から帰還したらバプテスマを施してほしいと書いてあっ
た。帰還後、親子3人で、ソルトレーク神殿に来て、結び固めを受けた。その3か月後、
ユタ大学に留学中に彼は殺された。
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