盲目的な愛 |
真実の愛 |
盲目的な愛は、ほとんどの場合、急激に発展する。「恋におぼれる」とか、「一目ぼれした」とか言うときは、この盲目的な愛を指すことが多い。この最初の気持ちが続いて十分に成熟した愛になることもあるが、そうでないこともある。 |
真実の愛は、ロマンチックな様相を呈しないかもしれないが、時の経過とともに次第にしっかりと根を張り、成長する。肉体的および知的な魅力が突発的であるのに比べて、愛が育つのには時間が必要である。 |
盲目的な愛は、通常、相手の、ある種限られた特徴、能力、性格に基づいて生じる。 |
真実の愛は、相手のすべてに対して抱くものである。「彼のこのようなところが好き」というのではなく「彼が好き」と言う。 |
盲目的な愛は、感情によることが多い。「恋を恋する」という状態である。 |
真実の愛は、人に対して抱くものであり、そこから大きな楽しみと喜びが得られる。感情は二次的なものであり、愛する相手が第一である。 |
盲目的な愛は、必ずしも自己本位でないかもしれないが、自己中心の傾向が強い。これは主に、自分の欲求を満たしたいという感情によって育まれる。ある人々は愛というと、相互の欲求を満たすもの以上の何物でもないと考えている。 |
真実の愛も、その関係の中に自己の満足を見出すが、それが目的ではない。自分自身と同様、人の喜びと成長にも目を注ぐ。成熟した愛を持つ者は、相手の霊的、情緒的、肉体的健康にも心を配り、完全な一致を図るように努める。 |
盲目的な愛は、その対象が一人に限られないことがある。次から次へと心が移り、同時に複数の人々を対象とすることさえある。 |
真実の愛は、愛する人への約束である。愛する人への誠意を尽くすと言う契約である。 |
盲目的な愛は、急変する。情緒に極めて影響を及ぼしやすく、非常に心変わりしやすい。情緒不安定になると、典型的な症状として、食欲不振、集中力の欠如、勤労意欲の減退が生じてくる。 |
真実の愛も、変わる。しかし、その変化は緩やかである。しかも勤労意欲は増し、成長を望む気持ちが大きくなって、二人の結びつきは以前に増して強くなる。情緒に大きな影響を及ぼすとすれば、それはただ地味で着実な幸せを望む気持ちである。 |
盲目的な愛は、現実離れすることが多い。現実に立脚しない計画を巡らし、空想にふけり、現実を見ようとせず、将来の計画を立てることを拒む。 |
真実の愛は、理想を描き、また現実的でもある。そのバランスを良く保つ。愛する者は遠い将来の報いのために、喜んで犠牲を払う。問題やチャレンジには現実的な目をもって直面する。 |
盲目的な愛は、肉体上の魅力によることが多い。肉体上の魅力が二人の結びつきを支配する。 |
真実の愛も、肉体上の魅力が関係する。しかし、全体の要素から見て、肉体上の魅力の占める割合は小さい。 |
盲目的な愛は、不安定でもろい。二人の結びつきが解けないのは、ただ嫉妬心による。肉体上の結びつきが無ければ、二人の関係は危機にさらされる。また、ストレスがたまれば、二人の関係は損なわれる。 |
真実の愛は、安定しており、信頼でき、はつらつとしている。成熟した愛は、他の人々に脅かされることがない。愛はできれば一緒にいることを求めるが、別れても弱まることがない。愛にはチャレンジや問題に抗する力があり、これらは愛の強さをはかるに過ぎない。 |
(インステトゥート生徒用資料「日の光栄の結婚」より引用)