「北方の地にいた人々は天幕やセメント造りの家に住んでいた。そして彼
らは、その地の面に生える木はどんなものでも育てるようにして、将来材
木を得て自分たちの家を建てられるように、まことに自分たちの町を築き、
自分たちの神殿や会堂、聖堂、そのほかあらゆる建物を建てられるように
した。」(ヒラマン3:9)
「わたしがまだ独身のころである。わたしはモルモン書を信じていること
である青年からばかにされた。彼は、モルモン書が偽りの本である証拠が
二つあると言う。その一つは、人々がセメントで家を建て、セメントの使
い方に秀でていたということである。彼は、この国の古代の住民が建てた
セメントの家などどこにも発見されていないし、これからも発見されるこ
とはない、彼らはセメントのことなどまったく知らなかったのだから、と
言うのである。モルモン書が偽りの文書であることは、これで十分である
と言った。わたしはこう答えた。『そんなことでわたしの信仰は揺るぎは
しない。わたしは祈りの気持ちを持ってこのモルモン書を読み、これが真
実であるという証が得られるよう熱心に神に求めた。そして、心の底から
それが真実であると感じることができるのだから。』さらにわたしはこう
付け加えた。『たとえわたしの子供がセメントの家を発見することができ
なくでも、わたしはそれを孫に期待するよ。』すると彼はこう言った。
『そうかね。そんなことはばかげているよ。』ところが、セメントで造ら
れた家や大きな建物がこれまでに数多く発見されてきた。メキシコシティー
からそれほど遠くない所に、セメントでできた高さ210フィート(約64
メートル)ほどの建物の遺跡がある。その遺跡はあたかも大きな丘のよう
であった。それはこのソルトレークタバナクルが40もはいるほどの大き
さで、10エーカー(4ヘクタール)以上もあり、高さはこのソルトレー
クタバナクルの2倍半はある。その遺跡の頂上に立つと、小さい塚のよう
なものが幾つか見える。土で覆われていない部分からは、セメントの家の
一部が顔をのぞかせていた。そこにはセメントでできた配水管がついてお
り、セメントの高度の技術がよくうかがえる。セメントの使用に関しては、
今日の技術にまったく劣らない。」(ヒーバー・J・グラント「大会」
1929年4月)
(インスティトゥート生徒用資料「モルモン経」より引用)
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