トルストイの証
アンドレ・ホワイトはコーネル大学学長や駐ドイツ大使を歴任した人物である。
彼は仕事でロシアに行っている時に、ロシアの作家、トルストイを訪問した。
以下はその時にかわされた会話である。
「ホワイト博士、アメリカの宗教について話してくれませんか。」とトルストイは質問した。
「わたしたちは別にアメリカ国教を持っていませんよ。」とホワイトは答えた。
「いや、そんなことはよく知っています。
それではなく、アメリカにある宗教について教えてもらいたいのです。」とトルストイは言った。
そこでホワイトはアメリカにあるいろいろなキリスト教宗派について詳しく話し、
だれでも自分の好きな宗派に入って神を礼拝することができると話した。
この話を聞いてトルストイはいらだたしげに言った。
「そんなことは全部知っています。
わたしが聞きたいのはアメリカで生まれた宗教のことです。
カトリック教会はローマで作られ、
監督教会はイギリスで組織され、
ルター教会はドイツで生まれました。
しかし、アメリカで組織され、普通モルモン教会と呼ばれている教会について知りたいのです。
モルモンの教えについて話してくれませんか。」
「はい、しかし残念ながらモルモンについては少ししか知りません。
彼らの評判はあまり良くないし、多妻結婚を行ない、迷信めいております。」とホワイトは答えた。
そのときトルストイは断固とした口調で、ホワイトをなじった。
「ホワイト博士、あなたのような学者で大使という地位にある方が、
この重要な問題についてほとんど知っていないご様子を見て、
非常に驚き失望を感じています。
モルモンの人はアメリカの宗教を教えているのですよ。
彼らの教義には神の国の人々やそれに伴う栄光について説明されているばかりでなく、
健康な生活の中にいかに社交的、経済的なものを織り込んで生きるかについて詳しく教えられています。
もし人々がこの教会の教えに従って生活するなら、彼らの進歩をさえぎるものはありませんし、
その発展は無限に近いでしょう。
もちろん過去には偉大な運動もありましたが、
それらが完成される前に頓挫したり、変形したりするのが大部分でした。
もしモルモンの人々がどんな迫害にあっても、3、4代にわたって教義を曲げずに忍耐し続けるなら、
彼らは世の人々がかつて知らないほどの大きな力を持つようになるでしょう。」
ホワイトはこのことがきっかけとなって、アメリカ合衆国に帰ってから、
教会事業に関する研究を行ない、コーネル大学にもそのための研究所を設置した。
(「奇しき御業」より引用)
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