冷却水排水口について
11.4.21
読者の方から次のような趣旨のご指摘がありました。
<3式戦の機首下面にある冷却水排水口が、機体によって開口部の大きさが違う。また、同一の機体でも写真の時期によって大きさが違って見えるが、何故か?>
この件は、当方も今まで全く認識していませんでしたが、言われてみればその通り、写真を見比べてみると開口部の大きさには二通りあるようです。これは何故なのか、考えてみました。
冷却水排水口には、下の拡大写真で分かるように、整流用の丸い覆いが付けられています。したがって開口部は、小さいのが本来の姿です。
一方、プロペラ直近のこの辺りは、激しい振動のために外板にクラックが入りやすいところです。おそらく、この開口部の縁にクラックが生じやすいが、ある程度の時間を経過してクラックが入る可能性が高くなった機体では、いちいち整流覆いを外さずとも点検できるように、覆いを外して運用していたのではないでしょうか。この覆いは、装着せずとも特に支障はなかったのだと思われます。
平時、あるいは民間機であれば、クラックの端に丸い穴を開けてからパッチを当てて修理するはずですが (3等航空整備士の実地試験ではこれをやらされたと思います)、戦時には修理に手間はかけられないので、クラックが入った場合には、この部分の外板自体を交換してしまったのでしょう。
補修用部品は新品のはずですから、正規の整流覆いが付いており、この部分を交換して間もない機体では、この写真の例のように開口部は小さく見えるということではないかと推察します。
なお、この写真の3式戦は、十干が甲か乙で、相当使い込まれた機体であろうと思われます。
新造機
| 整流覆いあり→開口部小
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ある時間経過
| 整流覆いなし→開口部大
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部品交換
| 整流覆いあり→開口部小
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