板前さんは出刃包丁、刺身包丁、菜切包丁等目的用途に応じて使い分けます。 大工さんも例えば鉋だと襖や障子を引くための敷居の溝を切る専用のものも あります。高度な専門技術には必ず相応の道具が使われます。
弘法筆を選ばずというではないか、中華料理は中華包丁1本で材料を きったり、細工をしたりするではないか、と思われるかもしれません。 しかし空海は実は筆の選定には厳しかったと言いますし、中華包丁も選りすぐり の1本を使っているわけです。適切な道具を適切な用途に使うことで 良い仕事ができるのです。
プログラミングの世界でも道具は重要です。エディタやコンパイラと いった基本的なものはもちろん、プロファイラやメモリ利用量を測定する もの、あるいは統合開発環境(IDE)等、目的にあった使い方をすると効率的に、 正確に作業を進めることができます。
しかしどんな道具があるのかを知っていなければ使うこともできません。 今自分がやろうとしていること、問題を解決してくれるものとしてどのような 道具が使えるのか、常に情報を集めておくことが大切です。
変な道具を使ってかえって遠回りをしてしまうこともあります。厳しい目で 道具を見極め、しかも積極的に道具を使って、楽してプログラムを作りましょう