言語の入門書

言語といってもプログラミング言語の話です。私は日本語以外の自然言語を学ぼうとすると群発頭痛を起こしてしまうので。巷の本屋さんにゆくと最近は大抵コンピュータ書籍のコーナーがあって、「3秒で使えるWindows」だとか、「猫でもわかるExcelマクロ入門」といった入門書が目一杯並んでいます。入門ばかりで出門が無いのは何故なんだとか、入信とは違うのか等の疑問はさておき、何故こんなに沢山入門書が必要なんだろうと思うことは多いです。特にプログラミング言語の入門書は、C言語なんたら等、書店の書棚の数段占拠するほどの入門書があります。最近はJavaの入門書もがんがん増えているようです。

まあ同じ言語を一人で何度も入門する人も中にはいらっしゃるのかも知れませんが、普通の人は一つの言語に一度入門すれば十分のはずです。勿論毎年新人さんがこの業界に入ってこられるわけで、それだけでも十分な需要があるのかもしれません。でもコンピュータ言語の入門というのは(言語仕様がしょっちゅう変更されるような若い言語や、Fortranの様にロートルだけど化粧直しをして再デビューを繰り返すようなものは別として)比較的普遍性が高いものですから、これほど沢山の種類の入門書が必要とは思えません。

入門書が沢山あるというのは人気のある(学ぼうとする人が沢山いる)言語ということでもあるのでしょうが、結局こうした言語については決定的な入門書が無いのだということでもあるのだと思います。実際、こうした入門書の多くは「何故この本を書かなければならなかったの?」と思うものがほとんどです。文法の説明があって、サンプルプログラムがちょっとあって、という形式は皆同じですし、特に理解しやすく書いてあるというわけでもありません(書いている人はそうは思ってないのかも知れませんが)。それどころかこうした入門書の多くは間違いも多いのです。サンプルプログラムが文法的に誤っている、例題が適切でない等というのはざらで、文法的にも間違った説明をしていて、そのために言語を正しく理解できない人を増やしているという問題があることが多くの人によって指摘されています。

こうしたくそ入門書には、誰もが知っている有名な出版社から出ていて、(何故だか)重版されて何年にもわたって売られている、というものも沢山あります。なんだか業界を上げてプログラミング言語を理解しないプログラマを大量生産しようとしているのか、と思うほどです。どうしてこんなことになってしまうんでしょう。

こうした現状を憂えて、私は新たにxxx言語の決定的な入門書を書くことにしました、なんてことをすると、またゴミを増やすことになるのでしょうね。


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