通夜の15分前に家を出た すでに喪服姿がぞろぞろ歩くバス通りを 私も流れてゆく
車でたまたま通った人たちは どんな重要人物の葬儀かと思ったことだろう これは小さな酒屋のおやじの葬儀なのだ。
香典返しは 丸大豆しょうゆ1リットル、砂糖1s、 日本酒1合にタオルハンカチ 年配の参列者にはやや重荷、 でもお得感ただよう、その重荷
遺影の前に見当たらなかった跡継ぎ娘をみつけたのは 敷地の外だった 次々と来る参列者を笑顔で、 こんな日さえ、 父親ゆずりの笑顔で迎える姿を。