もっと偏執的に
なおるなおるなおるなおるなおるなおる
そうやって毎日通い詰めたらいいのだ、
本とラジオと針仕事を持ち込み
面会時間いっぱいに付き添えばいいのだ
「今日はあんたが行ってくれるから」
「今日は○○さんが代わりに来てくれる」
母は安心して身内に看病をまかせ
ごく自然と自らを休養させる
狂ったように付き添いやしない
父が死んでも
そのことで後悔はおそらくしない
「やるだけのことはやった」
母はそう考えるだろう
私はそれが不満である
「もうパパは治らないのよ、そんなに無理しないで!」と
母を父の枕辺から引きはがしてみたい
でも、本当は
私にはそんなのできない
私にもできないのだ、
通い詰めるとか
無理をするとか
狂ったように、とか
そんなのは