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第17話 「情報流出デラックソ」

 こんにちは。おいらは、飼い主も家も名前もとくに決めていない犬であります。川ぺりをうろついていると、いろんな人たちと出会います。犬にとっては、恥ずかしいときもあるけれど。
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 「そうそう、今日新聞に出てたw○nnyで出ちゃった話、あいつがやったんだよ。バッカだよなー。」
 おいら、この話が聞こえてきた時、びっくりして恥ずかしくなってしまいました。だって、「うに」で「出ちゃった」て、おいらのことだもの! この人たち、おいらがお寿司屋さんのゴミ箱にあった「うに」を食べてお腹をこわしたこと、なんで知っているのかなあ? 新聞においらのこと、出ていたの?

 「あいつ、雑誌で『w○nnyは映画や音楽がタダで手に入る』って知って、喜んじゃってさ。いや、あいつの本当の目的はエロゲームか。それでウイルス開いちゃったんだ。別にロリコンだろうがウイルス感染しようがあいつの勝手だけど、同じパソコンに警察の捜査資料なんか入れるなっつーの。」
 「まあ、警察も金がなくてパソコン支給しないから、それはあいつのせいじゃない。せめて俺たちにちょっと話してくれたら、いまどきw○nnyなんか使わせなかったのにな。まあ、sha○eもやばいけど、防ぎようはいくらでもあるのに。」
 ・・・どうやらおいらのことではないようなので、ホッとしました。この人たちの友達が「うにー」でお腹こわして「出ちゃった」話らしいです。「うにー」だけじゃなくて「しゃれ」だか「しゃり」だか、それも危ないみたい。 

 「最近あいつ、俺たちにパソコンの詳しいことを聞かなくなってたもんな。だけど、例えば歌舞伎町を歩いてて『いい女の子がいますよ、安くしておきますよ』なんて声かけられて、疑わずにホイホイついて行く奴がいるか? と聞きたいよ。それと同じなんだよ、ネットの世界は。常に疑ってかからないと。」
 「ハッハハ! 歌舞伎町ね、わかりやすいね、その例え。とにかく、まじめに言わせてもらうと、ネットの世界というのは、自分でそのつもりはなくても、日常生活で接しないはずの悪意に満ちた人が懐にいきなり飛び込んでくる世界である、と認識すべきである、よな、一般人は。」
 ・・・そうだね、自分でそのつもりはなくっても、よく確かめないで腐ったものを食べちゃうのがいけなかったんだね。「2○ゃんねる」ていう「板で感染」ということばも聞こえたから、板にくっついて残ってるかまぼこもいけないんだね、きっと。

 とにかく、「うにー」でも「しゃり」でも「板のかまぼこ」でも、よく自分でにおいを嗅いでから食べないと、お腹をこわしておしりから「出ちゃう」ていうことなんだね。犬ならなおさら、においで確かめなくちゃ。おいらも反省。くんくん。またね。

 

(2006.3月掲載)

 

※ファイル共有ソフトというものによる情報流出、著作権の侵害というのが話題になったころです。