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はしらのはなし・28番

 隣の27番はチョウよ花よとフワフワしているが、私はご覧の通りのゴミ置き場業務に忙しい。ことに今日は資源ゴミの日。缶、ビン、雑金属を出す日なんだけれど、雑金属の中には粗大ゴミらしいのも混じっていて、ごっちゃごちゃ。今日は粗大ゴミの収集日ではないのに・・。収集の人たちは、たぶん粗大ゴミはそのまま置いてゆくでしょう。「清掃事務所に申し込んでください。」という紙を貼り付けて。私は「はしら」だから、適当に捨ててゆく人がいても、ただ見ているしかありません。

 どうして人というのは壁とか柱とかに物を寄せて置きたがるのだろう。どうして、よりによって私の足元がゴミ置き場になっちゃったのだろう。まあ、近所の人がたまに足元をほうきで掃いてくれるし、昔に比べれば、ゴミの分別が進んで片づいているし、いいか。私28番にしてみれば、ゴミ置き場業務は地域のボランティア活動、といったところだな。


(取り壊しの頃。2003年6月)

(2005年10月/記)