←歩く 表紙へ |
||||||||||
湘南軌道を歩く 前書き |
||||||||||
|
湘南軌道は、神奈川県の西部、東海道本線の二宮駅から、葉煙草の産地として栄えた内陸部の秦野までの約10キロを結んでいた鉄道です。明治39年に湘南馬車鉄道として開業し、大正2年に蒸気機関車を導入、名称を湘南軽便鉄道へ、そして湘南軌道へと変更しました。葉煙草の運搬や、旅客営業に活躍しましたが、営業的には苦しく、乗合自動車や昭和2年に開業した小田原急行電気鉄道に客を奪われ、昭和12年に廃止となりました。 私が湘南軌道のことを知ったのは、おなじみ『鉄道廃線跡を歩く 2』を読んだからです。今では東海道本線と小田急線という、離れたところを並行して走る路線の駅として、全く縁もゆかりもなさげな二つの駅を、小さな鉄道が結んでいたと知り、驚きました。 廃線跡としては、もう半世紀以上前に廃止された路線ですから、ほとんどその跡は残されていません。けれども、地図をみていて、「歩いたら楽しそうな道だな」となんとなく思いました。10キロという距離も、歩くのが好きな人間にとっては手頃な距離です。 廃線跡を探すためと力まず、ぶらぶら散歩のつもりで出かけました。 結果的には、「あたり」でした。並行する秦野二宮バイパスに車は流れてゆくので、廃線跡である街道はあまり車が通らず、とても歩きやすかったのです。廃線跡紀行としては、線路が残るわけでもなく、お伝えできることはほとんどありませんが、ちょいとレトロな散歩道紀行、といったつもりでお読みいただけたらと思います。 (2001年10月訪問) |
|||||||||
参考にした本など:『鉄道廃線跡を歩く 2』宮脇俊三編著
|
||||||||||