大炉の茶事

大炉は11世玄々斎宗匠が北国の囲炉裏から考案されたもので、裏千家独自のものです。
厳寒の頃だけ炉を開らきます
また、大炉は逆勝手に切る約束になっています。
初炭、濃茶、後炭、薄茶の手前も「大炉の逆勝手」でいたします。
大炉は通常の炉のサイズよりも大きく(42,4cm→54,5cm)
炉縁は木地で炉壇はねずみ色に仕上げます。
宗家では咄々斎の次の間(6畳)に切られています


大炉は逆勝手の手前をします




2011年1月29日

今年はとりわけ寒い日が続きますので、
早目に大炉を開けて、
お客様のおもてなしをすることにしました。
還暦の茶事の一つです。

大炉にはたっぷりの湿し灰を入れて、
太めの胴炭を用意しました。
花はフキノトウとコブシの枝。

逆勝手の点前も、久々にお会いした茶友との語らいも
楽しい楽しい正午の茶事でした。
寒い中、遠方からお越し下さいましたお客様に感謝申し上げます。




2010年2月5日

御縁のお方から大炉の茶事にお招き頂きました。
ご亭主は遠方の方ですが横浜の茶事処への御案内でした


初座の掛物は坐忘斎お家元の一行書
茶名御拝受記念に求められたそうで、
ご亭主の茶道に対する意気込みが感じられました。

御持参の濃茶も美味しく頂きました。
そして風情ある大炉の後炭の後は
全員で逆勝手の花月を(^^)

お茶のお仲間が増えるって楽しい事ですね。
今年も折を見つけて
茶事を積み重ねてたいきたいと思います。

2003年2月23日

「灰がお見事だらか、是非ご一緒しませんか」と
流儀の先輩が、友人のご自宅での
大炉の茶事に誘ってくださいました。

待ち合わせて伺った茶室の大炉には、
本当に見事な灰が入れられていました。
美しい炉灰であり、気高い灰型でした。

ご亭主はひところ、魂魄込めて、
茶道に取り組まれたそうです。
その方のお茶が還暦を通り過ぎた頃から
少しだけまろやかになられたということでした。

修行の厳しさを縦糸に、
優しい笑顔を横糸に織りなされた大炉の茶事は、
それでもまだとても厳しく激しいもので、
初対面の私の心を揺さぶるものでした。




2000年2月27日

まもなく転勤になる方をお招きして大炉の茶事をしました。
大炉は裏千家独自のもので、厳寒の時期だけ炉が開けられます。
炉が逆勝手に切られていますので、逆勝手の手前になります。

席入りの挨拶ののち、初座は炭手前から始まります。
大炉では雪輪瓦を炉中に仕組んで
その雪輪瓦の向こうには湿し灰をこんもりと盛りつけて置きます。
盛りつけた湿し灰は初炭の撒き灰として使用します。

席入り前には炉中にたっぷりの湿し灰を撒いておきますので
下火の熱で中心から灰が刻々と乾いて景色が変化していきます。
その変化の様がご馳走になります。
今回はしっとりと濡らした大講堂
(釜)を掛けてお客様を迎えしました。
大講堂から立ち上る湯気もまた、寒さを忘れさせてくれます。

後座では雪輪瓦の向こうに後炭を仕組んで置きます。
濃茶の後の後炭では炭取りは運び出さずに
素焼きのほうらくに湿し灰等を仕組んで持ち出します。

大炉の茶事は、変化ある楽しい真冬の茶事です。


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