神々が直接所有しているものではありませんが、庇護下にある宝石・貴金属を挙げてみました。
名称;トルコ石 | 守護者;ハトホル、ソプドゥウ | |
青い色が魔除けの意味を持つ。なんでソプドゥウが守護者に入っているかというと、どうもシナイ半島のトルコ石の産地が管轄域だったかららしい。危険な鉱山に入る時、この石を身につけたりしたのだろうか。 |
名称;くじゃく石 | 守護者;ハトホル、ソプドゥウ |
孔雀石の緑色が永遠を象徴するパピルスの色であることから、死者の楽園<セケト・イアル>と関連づけられていた。永遠、生命を意味する石。ソプドゥウが守護者に入っている理由は、トルコ石の場合と同じ。 砕いてアイシャドーにすると、強い太陽の日差しから目を守る、と信じられていた。 (壁画で人物の目のまわりがほんのり色づいてるのは、この石の色なのだろうか。) |
003.
名称;銀 | 守護者;なし(?) |
エジプトでは銀の産出量がとても少ないため、新王国時代になるまで輸入に頼っていた。「白い金属」と呼ばれ、金よりも高価な扱いを受けた時代もあった。ちなみに、月は「夜に輝く銀の太陽」と呼ばれることから、月属性の神々は多くが銀に関係づけられていた。 |
名称;金 | 守護者;ハトホル、ネブゥ |
金鉱ではハトホル女神を祀っていたらしいが、何故かは不明。エジプトでは、金は主にナイル上流の南方で産出されていた。金そのものではないが、金の採掘場は上エジプトの守護者ネクベト女神の管轄域だった。 太陽は金色であることから、金は太陽属性の神々(特にラー)に関係づけられ、金を身につけることによって太陽神の加護を得ようとした信仰もあったと考えられる。 |
名称;ラピスラズリ | 守護者;アメン(ラー)、ヌト、マアト |
この石の青い色が空から生まれたことを連想させ、石にちらばる金色の斑点は星に喩えられた。そのため、太陽神と天の女神に守られている。エジプトではラピスラズリは採掘されないため、かなり遠くから輸入されていたようだ。また、この石は裁判官が首につける専用装備でもあった。 死者の書によれば、神々の髪の毛は、この石で出来ているともされた。 …てぇことは青髪ですか(笑) また、海に喩える向きもあった。 エジプト人は、深い青色の宝石を「海の生み出すもの」と考えており、「ナイル賛歌」では、「海の生み出す宝玉=瑠璃は食べられないが、ナイルの生み出す宝玉=麦は人々の糧となる」という意味のことが述べられている。 |
名称;黒曜石 | 守護者;? |
黒光りするこの石は、神像の目の部分に効果的に使われた。(例;ヒエラコンポリス出土・ホルス神の像) 他にも、象嵌細工など、工芸品の一部として使用されていたようだ。 |
名称;ステアタイト(凍石) | 守護者;なし |
つやがあり、美しく輝くことから装飾品として好まれた。削ってビーズにする。庶民用の安いアクセサリーとしても多様された。結び付けられている神サマは、とくになさげ。 |
名称;紅玉髄 | 守護者;イシス |
別名「イシスの血」。イシスの結び目と呼ばれる護符、ティト(ティエト)は、この紅い石で作られることになっていた。ティトの中には、代替品として赤いファイアンスやガラスで作られたものもある。 |