主な称号
道を切り開くもの
主な信仰
名前の読み方は、「ウプ・ウアウト」。より古い名は「
セド」だったとされる。この「セド」とは、王位更新のための重要な祭り、「セド祭」のセドと同じ意味である。(※セドは別の神で、ウプウアウトに吸収されたと見なす説もある)
同じくジャッカル神であるアヌビスとともに、魂の導き手を勤めると同時に、戦いの神でもある。その名「道を切り開くもの」の「道」は、死者の魂を冥界へ通じる「道」と、王や軍の先頭に立ち、敵軍へと導く「道」を意味するのだ。
その意味で、民衆神であると同時に、王権の守護者でもある神と言えるだろう
上エジプトのウプウアウトと下エジプトのウプウアウトがおり、死者の町に近いアシウトのある上エジプトのウプウアウトは魂の導き手としての役割が重く、他国と国境を接する下エジプトでは、戦いの神としての性格が強い傾向にあるようだ。
なお、戦いの神としてのウプウアウトは、下エジプトに聖域を持つ、戦の女神ネイトとともに現れることもある。
ネイトはウプウアウトという名の女性形「ウェプトアウト」(ウェプトワウェト)という別名で呼ばれることもあり、夫婦と見なされていた可能性もある。
★よく分かるアヌビスとウプウアウトの見分け方。
どっちも犬の姿をとるのでややこしいが、アヌビスは黒、ウプウアウトは灰色で彩色されているらしいぞ!
灰色… 黒が色落ちした場合見分けつきにくそうだけど、壁画などで探すときは試してみておくれ。
神話
・
聖域
アシウト(アシュート)。ギリシア語名は”リコポリス(狼の町)”
DATA
・所有色―黒、赤
・所有元素―
・参加ユニット―魂の導き手三神<ハトホル、アヌビス、ウプウアウト>
・同一化―
・神聖動物―ジャッカル
・装備品―
・関係づけられた樹木―柳ータマリスク(ギョリュウ)
◎補足トリビア◎
1993年、ドイツのロボット工学者ルドルフ・ガンデルリンクは制作費25万ドルの超小型ロボット「ウプアウト」を使って、クフ王の大ピラミッド内・女王の間より伸びるシャフト内に、謎の扉を発見した。これにより、大ピラミッド内に未知の空間がある可能性が示唆された。
2002年には、扉に穴を開け、その奥にカメラを差し込むことに成功し、奥にさらに扉があることが確認されている。
追加調査を望みたいところだが、なかなか認可が下りないため、2004年現在、調査は中断されたままである。
その後、2010年にイギリスのリーズ大学がロボット製造に乗り出しており、2番目の扉の奥にカメラが差し込まれる予定。
個人的には「ハムナプトラ」っぽく、カイロ博物館の館長が実は古代より続く墓守の末裔で(笑)、ピラミッドに隠された謎が暴かれることを恐れて認可を拒んでいるとかいう展開…だったら面白かったんだが、実際は政治がらみだったりする。