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ネイト Neith(仏語:Neith)

古代名:ネイト、ネト/ギリシア名;-/別称・別綴り:-
性別:女性


――――弓の名手なる戦女神

主な称号
矢を射るもの、道を切り開くもの、二つの国の女主人

主な信仰
戦と狩猟の女神。頭にはファラオの被る下エジプトの王冠である「赤冠」をつけている。また、弓矢を装備する姿で表現されることも多く、ネイト女神の表象は「盾と交差した矢」である。

かなり古い時代から崇拝されたようだが、なぜ男性ではなく女性がこのような荒っぽい神として崇められたのかは不明。
道を切り開くもの、とは、戦争の時に先陣切って突っ込んでいく役目を指し、同じ肩書きをもつウプウアウトとともに戦場に出るとされ、サイスにある彼女の神殿には、しばしば戦勝祈願が行われた。
ボーデ博物館所蔵
セベク神の母であり、戦女神であるとともに母性も象徴する。そのため後世にはハトホルなど母性を象徴する女神との同一視も発生した。また、母性を象徴する女神たちの持つ「天の雌牛」という称号も持つようになる。ただし、彼女の表象が交差する矢であることや、壁画や神像に現れる姿がほぼ例外なく人間の姿で牛の姿はあまりとらないことから、母性の象徴としての役割は主要なものではないと思われる。

「セベク神の母」を含め、時には太古の女神として「ラー神の母」とも呼ばれることのあるネイト女神だが、実は決まった夫が存在しない。これはエジプト神話の中ではかなり珍しく、父・母・子の三柱神(トリアド)を形成していない。時にクヌム神の妻とされることがあるが、その場合でもセベクがクヌムの息子として現れてはいない。

また、ネイトはイシス同様に女魔法使いと見なされ、彼女の守護地であるサイスの神殿は、ヘリオポリスの神殿同様、医術学校の役割も供えた。

死者の守護女神としては、イシス・ネフティス・セルケトとともに、「ホルスの息子たち」と呼ばれる四柱の神とペアになって死者の四方を守護するようになっている。

>>組み合わせ対応表はカノポス壷と守護精霊にて

神話
・新王国時代のホルスとセトの王位をめぐる戦いでは、太陽神ラーにも意見できる、古参の権威ある女神として登場する

・ローマ時代になると、ネイトの本来の守護地はサイスではなくナイル上流であり、創造の神であるという碑文が登場するようになる。この部分を都合よく解釈したものが「黒いアテナ」という著作で見られる「ネイト=水の神」説ではないかと推測されるが、肝心の「黒いアテナ」自体にそのへんの根拠が何も書かれていないので詳細は不明。ローマ時代の伝承は、ネイトと、もともとナイル上流で信仰されていたサティスを融合させる試みだったのではないかとも思われる。


聖域
主にサイス、ナイル上流だとエスナ付近

DATA

・所有色―赤
・所有元素―火、水
・参加ユニット―死者の守護女神<イシス、ネフティス、ネイト、セルケト>、ご家族<ネイト、セベク> 夫はクヌムまたはセヌイ(プソスナウス)とされることがある。
・同一化―イシス、ハトホル
・神聖動物―
・装備品―下エジプトの王権の象徴・赤冠、弓矢と盾


◎補足トリビア◎

「SMITE」という海外のオンラインアクションゲーのネイト様
ちなみにこのゲームでは、ネイトという名前の由来が「原初の水」である説を採っている。


【Index】