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ミン Min

古代名:/メネウ、メヌ/ギリシア名:ミン/別称・別綴り:−
性別:男性


―――種子をあたえる生殖の神

主な称号
神々と女神たちの種子をつくるもの、東方で腕を高く掲げるもの

主な信仰
ミン
上エジプトを発祥とする生殖・豊穣の神であり、エジプト東部の砂漠においては鉱山の守護神。肩書きにある「東方で腕を高く掲げるもの」とは、常に取る腕を上げたポーズと、エジプト東部の守護神であったことから。

ミン神の像はムチを持って右手をふりあげ、天を指差すポーズをとる。そのため「打ち据えるもの」と呼ばれることもある。死んでるミイラ姿でありながら敵を打ち倒す。そして勃起している。色々ツッコみどころがあるアクティブな神なのである。


●生殖の神として

何よりもまず、その勃起した巨大な男根に目を引かれる神。しかも像の場合、片手でそれを握り締めている。(※カムテフ参照)
<月の家>と呼ばれる聖域を持ち、女性司祭たちから成るハレムを形成していた。古代エジプトにおける修道院である。そこには高貴な身分の婦人たちが集められていたという。

白い汁が人間の精液を連想させることから、レタス(ちしゃ)は、ミン神の象徴である。
ミン神殿の庭園にも植えられていたらしい。


●古き謎の神として

エジプトの歴史の初期から登場する古参の神の一柱。初期王朝時代には既に存在したと考えられている。多くの古き神々が後の時代には姿を消していくのに、この神は初期の姿を保ったままエジプト末期まで生き延びる。それゆえに古くからの儀式の中には、意味が失われて謎になってしまったものも多い。
ミン神の謎の教義の中には、「ミンの柱のぼり」と呼ばれるものがある。動物の皮をつけた柱(一種のトーテム・ポール?)を、よじ登るというものだ。他にも、四羽の鳥にホルスの戴冠式の序文をつけて四方にむけて放つなど、面白い儀式が記録されている。

祭りの際には神像が輿に載せられて大衆の前を歩いた。これは他の神々と同じ祭り方だが、違うのは、他の神の場合は神像を隠すのに、ミン神の像だけは例外的に、一般に公開され、祭りの際は輿に載せ、人目に晒しながら練り歩いたという点。
勃起した生殖の神を神輿に乗せて練り歩く…
これはつまり…
某川崎市のかなまら祭り…?(※巨大な生殖器神輿が練り歩くことで知られるおまつりです。)

ミン神のシンボルを表現した最古の例は、先王朝時代(紀元前3100年)、エル=アムラー出土の儀式用パレット。
上部の左右に鳥の頭の形をした突起があり、真ん中にミン神のシンボルが表現されている。



また、ミン神のシンボルとしては以下のようなものも知られている。




●実在王が神格化された神という説

「ミン」というの名がエジプト初期に残る伝説の王、ナルメル王のもうひとつの名である「メネス」に似ていること、死せる王の姿で表現されることから、ミン神はエジプトを統一した初代王ナルメルの神格化ではないかという議論もある。ただ、明確な証拠はないため現在のところ説の一つに留まっている。

同様に「死せる王」の姿で表現され、かつ初期から厚い信仰を集めていたオシリス神やプタハ神、ソカル神なども、実在の王が神格化されたものであるという説が存在する。

アメン神が国家神となる新王国以降、ミンはアメンとしばしば習合したが、これは王の男性的な逞しさや子孫繁栄を意味していたのではないかと推測される。オシリス神と習合した時は顔色が緑のことが多いが、アメン神と習合すると黒(豊饒の土の色)になっている。

ギリシャ人は彼をパン神と同一視したため、ミンの信仰されていたアクミーム周辺は「パノポリス」(パン神の町)と呼ばれることになった。



神話
・ホルス神の父とされることもあり、王権の後見人の一人だった。
・生殖とともに豊穣も保障する神。大地の恵みも与えてくれる。
・東部砂漠においてはオシリスと同一視され、ミン・イシス・ホルスの三柱神を形成する。
・メディネト・ハブのラメセス3世葬祭殿ではオシリス・ミンが農耕神としてたたえられている。

聖域
上エジプト第9ノモス アクミーム
コプトスや、紅海へむかう東の砂漠、ワディ・ハンママートやバラミーヤなどで、盛んに信仰された

DATA

・所有色―緑、黒(肌の色が肥沃な大地を意味する黒で表現される。)
・所有元素―土
・参加ユニット―ご家族<ミン、トリフィス、コランテス>、おじさまユニット<ミン、アメン、ラー>、王権守護<イシス、ミン、ハルポクラテス>
・同一化―アメン・ラー
・神聖動物―雄牛、隼
・装備品―フラジェルム


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