主な称号
マアト、ラーの娘
主な信仰
"マアト"は、正義、秩序、真実といった、あるべき正しさをすべて包括する概念的な言葉であり、「神」の決定詞をつけることで女神となる。
概念を神格化した存在で、地上を照らす光、秩序の象徴である太陽の娘とされた
頭にダチョウの羽根を差した女性の姿であらわされるが、この羽根は大気の神と同じ「シュウ」とよばれ、マアトの象徴である。
この羽根は死者の審判では真実の羽根と呼ばれる。天秤の片方にマアトの羽根、もう片方に死者の心臓をのせ、つりあわなかったら(重すぎたら)、その心臓は罪に穢れて重くなっていると見なされてしまう。
>>審判のシーンは
アメミット の項を参照
ヘルモポリスにおいては、神々の書記官トトと関連づけられた。(書記はウソを書き残してはならず、職務に忠実でなくてはならないため)
マアトは女神をさす言葉であるとともに、神々の供物として日々神殿に捧げられるものでもある。
また、すべての聖域に存在し、すべての人の内でもはぐくまれるものともされる。
国王は、神が定めた秩序を自ら体現していることを示すため、しばしば「マアトの奉献」と呼ばれる儀式的なポーズで描かれた。
かつてはエジプトにおいて、裁判所のマークは、マアトの象徴であるダチョウの羽根だった。また、マアトの神官とは裁判官を意味する言葉だった。
面白いのは法廷が「二つのマアトの場」と呼ばれていたことだ。二つあわせて真実なのか、二つの真実があるということなのか、いろいろ考えられるが、古代エジプトにおいては「真実はひとつ!」では、なかったようだ。
神話
・セトがオシリスの後継者についたとき、「地上の秩序<マアト>は失われた」と言い残してオシリスのいる冥府に下ってしまったという。
・以降、オシリス神のもとで死者の魂を審判する補佐をしている。その後、ホルスが王座についたんだから、戻ってきてもよさそうなものだが…
・秩序が乱れると「マアトが死んだ」という言い回しをされる。しょっちゅう殺されるので大変である。
聖域
エジプト全域
DATA
・所有色―黄
・所有元素―大気
・参加ユニット―固定の組み合わせなし。全ての善なる神と共にある。
・同一化―なし
・神聖動物―なし
・装備品―ダチョウの羽根