┃サイトTOP┃別館TOP┃コンテンツTOP┃ |
新王国時代 第18王朝
AhmoseT/AhmosisT
王朝の首都;テーベ
埋葬地;不明(テーベ周辺、ドゥラ=エブ=ナガ?)→ロイヤル・カシェ
出身地;テーベ
家族;
父/セケエンラー・タア2世 母/イアフヘテプ
妻/イアフメス・ネフェルトイリ 息子/アメンヘテプ1世、イアフメ=アンク 娘/スィトアメンなど多数
かつては前の代の王カメスの弟と考えられていたが、年齢差から、現在は叔父と甥の関係だったと推測されている。
セケエンラー・タア2世の時代から開始された戦争が終結し、この王の時代にようやくエジプト再統一。ヒクソス王朝を倒し、エジプト全土が再統一される。シリア方面、および南はヌビアとの国境を固め、内政を安定させ、かつての秩序を取り戻した。
●治世と墓
トリノ王名表での治世年は25年+4ヶ月。
墓の内蔵品と王のミイラが見つかっているのに、墓の位置は不明。どうやら、盗掘を恐れた後世の神官が墓を移したために、本来の墓の位置が分からなくなってしまったらしい…。
●軍事と政治
先代までにアビュドスを含む中部エジプトまで領地を回復できていたため、即位直後にメンフィスを取り戻しているが、その後、ヒクソス王朝の首都アヴァリスを陥落させるまでには6年を要した。その間に10回の遠征と3度の総攻撃が行われたとされている。エジプト全土の統一は治世10年のことだった。
軍事活動は治世の前半に集中しており、ヒクソス追放後、レパントやその先まで進軍した可能性がある。治世後半は政権固めに注力し、安定した王朝の始まりを築きあげた。ただ、追放されたといっても全てのヒクソス人がエジプトからいなくなったわけではなく、支配者層を除く一般人や、混血した人々はそのまま留まり続け、アヴァリスは第19王朝になっても「アペピの居城」や「アジア人の地」といった名前で呼ばれていた。
ヌビア植民地に総督府が置かれたのもこの王の時代で、何度かの反乱が起きたこともあり、ブヘンのとりでを中心として監視のための軍が置かれるようになった。総督には「クシュの王子」の肩書きが与えられるようになった。
●宗教
テーベの守護神であるアメンに仕える巫女、「アメンの神妻」という地位が作られたのは新王国時代だが、イアフメスの王妃、イアフメス・ネフェルトイリがその初代だっただろうと言われている。
テーベの王が全土の権利を握ったことにより、この時代はラーではなくアメン神が最高位の扱いになっている。
▲ピラミッドデータ
知られている限り、最後のピラミッドを建造した王。そのピラミッドはアビドスにあり、底辺52.5m、傾斜角度は60度と大ピラミッド前世紀よりややゆるやかである。現在は完全に崩壊しているが、20世紀初頭までは下2段が残されていたという。なお、内部に埋葬室は見つかっておらず、おそらく象徴的な墓だったと思われる。実際の埋葬場所は、第17王朝の王たちと同じドゥラ=エル=ナガの小規模なピラミッド群のどれかだったと考えられている。
・The last pyramid エジプトで最後に作られたピラミッド、第18王朝
前へ | 時代の索引へ | 次へ |