いよいよ最終巻。
フェイレフィースとともに聖杯城に到着したパルチヴァール。その頃、聖杯王アンフォルタスは、公妃オルゲルーゼとの禁断の恋のために神によって与えられた罰によって、今も苦しんでいた。
再びあらわれたパルチヴァールに、自分を死なせて欲しいと願う王。だが、パルチヴァールは、聖杯を仰ぎ祈ると、約束されたあの問いかけ、―――「どこが痛むのですか」を、発する。
その途端、傷は癒え、アンフォルタスは苦しみから開放された。そして聖杯は、彼を、新たな聖杯城の王と告げるのである。
この知らせは、アンフォルタスの弟であり、かつてパルチヴァールを導いた、隠者トリフィリツェントのもとにももたらされる。
さらにパルチヴァールは、プリミツェール河畔で妻コンドヴィーラームールスと再会し、彼らの双子の息子、カルデイスとロヘラングリーンに出会う。妻の持っていた二つの国、ヴァーレイスとノルガールスはカルディスの手に、そして聖杯城の後継はロヘラングリーンの手に。
コンドヴィーラームールス、ロヘラングリーンの二人を伴い、城へ戻る途中、パルチヴァールは、かつてジグーネが恋人の亡骸を抱いて祈っていた、あの庵にも立ち寄る。彼女は、そこで、恋人の棺の側で息絶えていた。その亡骸は、棺の中の亡き恋人、シーアーナトゥランダーの側に収められた。
城に戻ると、宴が始まる。かつてのように聖杯がささげもたれるが、ただ一人、異教徒であるフェイレフィースにだけは、その姿は見えていない。
彼に見えていたのは、聖杯をささげ持つ無垢な乙女、レパンセ・デ・ショイエだった。
この美しい乙女に一目ぼれし、妻にしたいと考えるフェイレフィースは、その場で洗礼を受け、キリスト教徒となる。(ゼクンディルレはどうするつもりだ?)
しかも、この妻を伴って帰国しようとしたところで、フェイレフィースのかつての愛人、ゼクンディルレが死んだ知らせが届けられた…。
多少ムリヤリではあるが。
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レパンセ・デ・ショイエは、のちに、ヨーハンという息子を産む、この子は、成長するとキリスト教の偉大な司教となったという。
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パルチヴァールの二人の息子のうち、カルデイスは、定められたとおり母の国を相続し、父方の国、アンショウヴェも取り戻し、世俗の偉大な王となる。
もう一人、ロヘラングリーンは、旅に出、騎士としての誉れをあげたのち、聖杯城に戻り、俗世を離れた偉大なる王となる。これが、「白鳥の騎士・ロへラングリーンの物語」と、呼ばれているものである。(ロヘラングリーンを英語で言うと”ローエングリン”)
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そして、この、次の世代のその後に少し触れたところで、物語は幕を閉じる。われらが友、ヴォルフラム・フォン・エッシェンバハ氏は、キオートの語った以上に語ることはしない、とのことだから。