幸せな日々が続くほど、悲劇は儚く、美しく。
スノリエッダでは合体させられて一人になっているナリ&ナルヴィ。
しかし元々の「詩のエッダ」ではふたり。
記述が曖昧なので、息子さんについてはいろんな説があるようですが、
ここでは「ナリ」と「ナルヴィ」のふたりの息子がいたという、今んとこオーソドックス(だと思う)説に沿ってご解説。
父親のロキが悪さをして、
その懲罰にと息子さんは引き裂かれ、
腸ひっぱりだされて父親を縛る鎖がわりに使われてしまうのです…
<言うまでも無く残酷な北欧神話。>
ってかマジひどすぎませんかソレ!
…どうにかなりませんかね、お父さん(ロキ)。
【神様データ】
Nari & Narfi (古ノルド語) Nari & Narvi (英語)
主属性; ロキを「束縛するもの」。父親ロキを縛るため、殺され、腸を引き出され、その腸を冷たい鎖に変えて、ロキは世界の終わりまで岩に束縛されているからだ。
ただし、彼ら二人の息子の名前については、話ごとにばらつきがある。
巫女の予言「ヴァーリの縛めをよじればよじるほど、腸で出来た紐はますます固く緊るばかり」
ロキの口論「ナリの腸で縛り上げ、ナルヴィはとらえられ狼に変えられた」
スノリエッダでは「ロキを束縛する息子はナリ、別名ナルヴィ」、「ヴァーリを狼に変え、弟のナリ(ナルヴィ)を引き裂いた」
ちなみに「ヴァーリ」という名前は、「引き裂くもの」を意味する。
説その1■
「ナリ」と「ナルヴィ」は同一人物の別称だが(北欧神話では、そういうのが良くある…)、スノリがそのことに気づかずに、ヴァーリという名前の別の息子がいるもんだと思い込んで間違って書いちゃった。
ヴァーリはロキの息子の名前ではなく、オーディンの息子「ヴァーリ」のことで、ロキの息子を殺害して、ロキを縛る紐を作った。
この説では、ロキの息子は「ナリ(ナルヴィ)」1人。
説その2■
「ヴァーリ」はオーディンの息子の名前だからロキの息子の名前ではないが、「ロキの口論」のクライマックス、息子たちが殺されるシーンでの記述より、「ナリ」と「ナルヴィ」は別の人物だと推測する。
ナリは殺されて腸を引きずり出されたが、ナルヴィは狼に変えられ、縛られた父親の番犬にされた。
ロキの隣にシギュンがついていながら、鎖を解くことができなかったのは、皮肉にもかつて息子だった狼によって邪魔されていたため。
以上、こみいった解説だが、自分の説が「その2」のほう^^;
スノリがカン違いして書いた、という点は賛成するが、ロキの息子が一人だけというのは、違うような気がするので。
と、いうより、兄弟で食い殺しあうという、そっちのほうが救いようがなくて北欧神話らしいです(笑)
その他の役割;
家族関係; 父/ロキ 母/シギュン 異母兄弟…たくさん
住居; 父親は不在が多いし、シギュンと一緒に暮らしてたんだろうなあ。
持ち物; なし
補足;