北欧神話の原典といえば、良く知らない人でも、多分「エッダ」と反射的に答えが返ってくる。そのくらい有名なものだが、俗に「エッダ」と呼ばれているものが二つ存在することは、あまり知られていないかもしれない。
片方は、「セーンムンドのエッダ」とか「古エッダ」、または、もっとそのものの本質を表した言い方として
「詩のエッダ」と呼ばれているもの。
もう片方が、「スノリのエッダ」とか「新エッダ」とか、詩のエッダに対する呼び方として
「散文のエッダ」と呼ばれているもの。
これらは微妙に成立年代も違い、書いている人も、文体の特徴も違っている。
(詳しい内容は、「北欧神話とは何か」の北欧神話の原典―エッダをどうぞ。)
「エッダ」は文字で書かれた数少ない北欧神話の資料のひとつだが、唯一のものではない。
このコンテンツで取り上げる「エッダ以外の神話資料」
なにしろ断片的な資料しかなく、資料によって記録の前提が違う場合もあるので、北欧神話は資料の「意味」を理解することがまず大事。(たとえば神々を実在の人物扱いにし「歴史」として書かれたものは、神話とは趣を異にしている)