別名・別綴り/ナール
性別/「イド」→男性、「ナール」→女性、「ナハル」→男性
守護都市/
【主な役割】
川の神格化
【神話・資料別エピソード】
川を神格化した神。シュメール語でもアッシリア語でも「イド」と呼ばれる。この名前では男性。
が、同じく川を意味する「ナール」という神は女性。
その「ナール」が転化したウガリット語の「ナハル」は男性。
紛らわしいが、要するに川の神格化なので、川を男性と見るか女性と見るかだけの違いなのだろう。なおエジプト人がメソポタミアを指して呼んでいた「ナハライン」「ナハリン」は、この神の名(川そのものの名前でもある)から来ている。
神明裁判の神であり、ハンムラビ法典には川に罪人を突き落とし「イドが連れ去る」ならば有罪である、との判例が載っている。無実を勝ち取るためには泳ぎが得意でなければならなかったということか。
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【参考】
ちなみにエジプトでの川の神格化はハピ神。
面白いことにハピのほうも男性と女性の中間的な姿で表される。
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