別名・別綴り/ビルガメシュ(シュメール) ギルガメシュ(アッカド・バビロニア) ガルガミシュ(フリ語)
性別/男性
守護都市/エンネギ、ウルク
【主な役割】
冥界の神(ルガル・クル・ラ)
【神話・資料別エピソード】
※人間の英雄としてのギルガメシュについては、ここには入れない。あくまで「神」としてのビルガメシュについての記載。
※「人間と神の間にあるもの」として叙事詩の主人公となっている場合と、「冥界神」として扱われている場合があるってこと。例えるなら正史Verと演義Verの三国志での扱いの違いみたいなもん。
名前の意味は「祖先は英雄」または「老人は若者」などと解釈される。女神ニンスンの息子。シュメール語のテキストでは、父でウルクの王ルガルバンダにも「神」の決定詞がついており、両親ともに神のようだ。またシュメール語版では妹としてマトゥルという名も登場する。
のちにウルクの王(人間)として「ギルガメシュ叙事詩」に登場し、死後は冥界神(祖霊)として崇められる。
シュメール末期のウル第三王朝においては、第五の月"アブ"が冥界神ギルガメシュに捧げられていた。
シュメル語の文学「ウルナンムの死」において冥界神として供物を捧げられるビルガメシュは"冥界の顧問官、下界の主、裁きの主…"と呼びかけられている。また、裁きの主という役割はシャマシュより与えられたものであるとも語られている。太陽神シャマシュは「ギルガメシュ叙事詩」においてフンババ退治の旅を手助けする神であり、第12の書版では冥界の入り口を開く力が言及されている。
神々の中で高い地位を占めていたわけではなく、「個人神」のジャンルに入る。そのため、王のみならず民間でも信仰されていた形跡がある。
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【参考】
・冥界神ビルガメシュがウルクじゃなくてエンネギの守護神になってる件について
・実在のギルガメッシュ・リアル王様の苦悩と叙事詩
・史実と神話の狭間 〜ギルガメシュ叙事詩〜
・ギルガメッシュ叙事詩を改めて読み比べしたらバビロニア語版だけおかしい気がして来た
・ギルガメシュとエンキドゥのセッ○は、史実としてアリだという話
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<余談>
ギルガメシュの名前は、何と読むのか最初は判らなかったので、昔は「イズドゥバル」や「ギシュドゥバル」と呼ばれていた。現在の「ギルガメシュ/ビルガメシュ」という呼び名に改められたのは1891年以降である。(「ギルガメシュ叙事詩」岩波書店版補足より)
また、伝説上の英雄であるニムロドと同一視されたこともあったため、その呼称が用いられているケースもある。