■ディートリッヒ伝説-DIETRICH SAGA |
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ディートリッヒ Dietrich
シドレク Thidrek
テオドリク Theodrich
カタカナに直すと別の名前のように見えるが、実は「シドレク」も「ディートリッヒ」も、似たような綴りである。
d→th、ch→kと直してみると、ホラそっくり。
名前の綴りは、時代によって少しずつ変化していくのである。
このコーナーで扱っているものは、「ディートリッヒ伝説」と称してはいるものの、今のところ、「ディートリッヒに関する一連のサガ・伝説ひとまとめ」という扱いになっている。
ディートリッヒに関する伝説の中心は「シドレクス・サガ」だが、これ「のみ」と、いうわけではない。シドレクス・サガは古アイスランド語で書かれたノルウェーの散文、他に中高地による「ヘルデン・ブッフ」という英雄叙事詩の集大成にもいくつか作品が入っている。
これらは、一人の人間にかかれたものではなく、時代も、地域も異なるテキストである。
中身も、さまざまな先行する伝説をつなぎ合わせたものため、互いのエピソードで矛盾があったり、つぎはぎだったり、明らかに違う時代に挿入されたと思われるシナリオが入っていたりする。
また、後世に作られて、派生していった別系統の物語や、本来、ディートリッヒ伝説とは別に発生し、のちに組み込まれていった伝説も存在する。
順番バラバラに作られた幾つものストーリーが後からつなぎあわさせているので、たとえば、ディートリッヒが子供の頃の出来事が、ディートリッヒが年取ってからのエピソードより後の時代に作らて辻褄が合わなくなってることなどが起こり得る。
日本語による資料はあまり存在しない作品なので、各方面から寄せ集めた資料によるコーナーである。
なお、自分の手持ちの資料というのが、ドイツ中世文学の側に偏っている(古アイスランド語の資料は無い。名前の読みなどはドイツ語が基本)ことは、一応、明記しておく。