※この地図は、岩波文庫の「ベーオウルフ」巻末の地図から作成しました。
太字の「ウェデル族」「デーン族」はメイン資料に沿って名前を修正してみました。
その他の登場部族については、文庫の地図に登場する名前をそのまま写しています。
こうしてみると、物語の舞台となる北欧と、「ベーオウルフ」の物語が見つかったブリテン島とは、意外に近い。
主人公・ベーオウルフの属するウェデル族、ならびにロースガール王のまとめるデーン族は、海を挟んで向かい合わせに暮らしていたようです。現在で言うと、スウェーデンの南端からデンマークにかけて…、ここが話のメインとなる場所です。
ヘオロットの館は、現在のデンマーク領になる島のひとつにあったと考えられています。ただし、これらの位置についてははっきりしないところや異論もあるようで、断定されるものではありません。
「ベーオウルフ」を考察する上の資料となる、ヨルダーネスの「ゴート史」が、どこまで細かく、正しいことを書いているかも問題になってくるのでしょう。
なお、個別に確認はとっていませんが、デーン族の西側、デンマークの辺りにはジュート族が、南のほうには「ベーオウルフ」の中でも少し語られるヘアゾベアルド族や、フリジア族、ウェルウィング族などがいて、随分いろいろな勢力圏があったようです。「ゲルマン人」とひとくくりにしてしまいがちなのですが、元々は、このように小部族の集合体だったようです。