古英詩 ベーオウルフ-BEOWULF

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人物対応表



 岩波文庫版の「ベーオウルフ」を参考にして、登場人物の系譜を作ってみた。
 名前の読み方は泉屋書店のほうにあわせてますが、何でかというと字数が少なかったので…(そんな理由かよ)

 人物名の下の数字は、生存年。出典は、グレゴリウス(Gregorius Episcopus)の著書…「史書」(Historiarum Libri Decem=直訳すると歴史十巻)または「フランク史」(Historia Francorum) とのこと。
 生存した時代は5世紀頃ということで、「ニーベルンゲン伝説」の人物たちや、「ディートリッヒ伝説」に登場する人物の、実在モデルたちと、ほぼ同じ。

 生没年がついていないのは、実在したかどうか分からない人物。この物語には、実在と虚構が交じり合っている。

ウェデル族(ゲータ)


 この表でみると、エオヴォルはヒゲラークの実子ではなく、娘婿ということになっている。また、ベーオウルフの父も外から来た入り婿で、もともとは別の氏族であったことが伺える。主人公の母親なのに、レーゼルの末子である姫君は名前不明。
 女性は名前が出て来ないあたり、いかにも男性本位な社会構造ですが、女性は戦わないので当然といえば当然かもしれない。
 ヘレベアルドはヘスキュンの放った矢によって死亡、ヘスキュンはその後、スウェーデンで討ち死に。
 ヒゲラークが戦死したのち、いったんはヘアルドレードが王位を継ぐが、こちらスウェーデンの王権争いに巻き込まれて戦死してしまい、最終的にベーオウルフが王に。

 よき王とし呼ばれるわりに、実力を認められたからというのではなく、系図を見渡して、他に適当な人がいなくなったから王になれたのではないかという気がする。


デーン族(シルディング)


こちらは、「もう一人のベーオウルフ」の家系図です。

ユルゼと結婚するオネラは、下のシルヴィングのオネラと同。「シルディング」「シルヴィング」でややこしいが、両者は別の部族である。
ベーオウルフまでは伝説上の人物。シルドの前に、悪王として名高いヘレモードが在位していた。


シルヴィング ヘアルフデネ&フリジア

 その他、過去の回想シーンに登場する幾つかの部族。
 シルヴィングはノルウェー王家。ベーオウルフやウィーラーフの父親がかつて属していた国である。

 ヘアルフデネ、フリジアは、物語とは直接関係無いが、「政略結婚の失敗例」として、ベーオウルフによって語られる。ヒルデブルフとフィンの結婚が悲劇のうちに終わるように、ロースガール王の娘、フレーアワルもまた、幸福な結婚生活は送れない。


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