レイダース/失われたゾンビ
RAIDERS OF THE LIVING DEAD
米 1986年 86分
監督 サミュエル・M・シャーマン
脚本 サミュエル・M・シャーマン
ブレット・パイパー
出演 スコット・シュワルツ
ダナ・アサリ
ロバート・デイヴィ
ボブ・アレン
「死人がオイラを追いかけてくる〜」。
という安っぽい主題歌にまず驚かされるこの映画、本当にシドくてオハナシにならない。タイトルからパロディかと思ったが、作り手はあくまでもマジであり、余計に始末が悪い。
主題歌以上に驚かされるのがオープニングである。放射性物質を搭載したトレーラーがテロリストに乗っ取られて、
「はは〜ん、この放射能の影響で死人が蘇るのだなあ」。
と思っていたら、テロリストはあっさりと殺されて、放射能も漏れずに終わる。結局、このオープニングは物語とまったく関係がないのである。
テロリストを退治するSWATも2人だけしか登場せず、しかもその2人を同じ俳優が演じているという物凄さ。要するに、SWATの衣装を一着しか用意できなかったってことなのだが、せめて別の俳優に着させろよ。
しかし、考えようによっちゃ、ゴダールもびっくりの「脱構築」ではある。
物語は愚鈍の極みで、気狂い博士が死体を蘇らせてウロウロさせていました。それを迎え撃つのが「キテレツ大百科」のような発明少年。おじいちゃんのレーザーディスクを改造したレーザー銃でゾンビのハートを狙い撃ち。
ピュン、ピュン、ピュンとアナログ・シンセサイザーのレゾナンス音を安っぽく響かせて、10匹ほどのゾンビを退治するだけで映画は終わる。エンド・タイトルにはまたしても、
「死人がオイラを追いかけてくる〜」。
猛烈な虚脱感が私を襲い、もう一杯ひっかけないと今夜は寝られそうにもない。
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