吸血ゾンビ
THE PLAGUE OF THE ZOMBIES
英 1965年 91分
監督 ジョン・ギリング
脚本 ジョン・エルダー
出演 アンドレ・モレル
ダイアン・クレア
ブルック・ウィリアムズ
ジョン・カーソン
ジャクリーン・ピアース
「ハマー・フィルム怪奇コレクション」なるDVDシリーズがリリースされて、ハマーで育った世代としては義務ってえもんですか?。そんな気持ちでボックスを入手した。第1弾は「吸血モンスター編」と題された『凶人ドラキュラ』と『吸血ゾンビ』と『吸血鬼ハンター』の3本だ。「ドラキュラはどうして3作目なの?」とか「ゾンビは血を吸わないんだけど」とか、いろいろと疑問があるが、まあいいってことよ。ガキの頃に手に汗握った映像を楽しみましょう。
で、今回は『吸血ゾンビ』である。
ガキの頃には手に汗握った記憶があるが、今見ると退屈で退屈で。語り口が冗漫なので、今日のテンポのよい編集になれていると1時間半が倍にも感じる。
しかし、それでもゾンビ登場のシーンは格調があって「さすがハマー」と唸らされる。特に、美女の屍体が蘇って墓穴から這い出す場面なんか、今の子供に見せても十分にトラウマになる映像だ。
とはいうものの、物語は赤点。
英国コーンウォールの田舎町を舞台にしたブードゥー教ものなのだが、「どうして英国の寒村にブードゥーなの?」と誰もが抱く疑問の答えは「地主のドラ息子がかつてハイチに住んでいたから」という安直なもの。
で、このドラ息子の目的はというと「村人たちをゾンビにしてタダ働きさせる」というセコさの極みで、てんで納得が行かない。
屍体蘇生儀式の背後には太鼓叩く土人が3名ほどいるが、こんな寒村に土人を連れて来たら、たちまち話題になる筈なのだが.....。
等々、アラを探せばキリがない。
監督のジョン・ギリングも「最低の脚本だった」と回想しており、本作がまずまずの佳作に仕上がったのは、彼の腕によるところが大きいのだろう。
なお、本作のセットを流用して、同じくギリング監督により撮影されたのが、あの迷作『蛇女の脅怖』である。
↑ゾンビがばあ〜。赤ちゃんギャーッ。
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