スターシップ・トゥルーパーズ 米 1997年 129分 |
この映画、賛否両論あるだろうが、私は「よくぞここまでやってくれたッ!」とバーホーベン様に感謝せずにはおれない。オールタイム・ベストの1本である。 で、見ていない方のために何が「サイテー」かを解説すると、原作がSF界の重鎮ハインラインの古典的右翼SFなのだ。だから、同じく右翼のジョン・ミリアスあたりが映画化すべき内容だったのだが、こともあろうに大変態のポール・バーホーベンが監督することになった。この時点で私はワクワクしていたのだが、案の定、やってくれましたバーホーベン。「右翼」の部分をすべて笑い飛ばして、はらわた踊り狂う大残酷絵巻を繰り広げてくれたのだ。本作を見た後では「愛国心」という言葉が馬鹿に聞こえる。 |
しかし、「こんなバカ映画にこれほど金をかけていいのか?」という疑問は残る。ハリウッドに招かれてからのバーホーベンの映画すべてに云える。『ロボコップ』に『トータル・リコール』、『氷の微笑』に『ショーガール』だもん。たしかに、みんな素晴らしい。素晴らしいほどにバカであるが、ちょっと金をかけ過ぎている気がする。 最後に、キャストについて一言。 とにかく「ビバリーヒルズ高校白書」のようなボンクラどもが、イイ顔の一人前の兵士に成長していく様を、悪意と愛情という二律背反する感情を込めて描いた大傑作である。観るべし。 |