キス・ミー・クイック! 米 1964年 66分 |
「最低映画の写真で一言」第31回の出題元である。 フランケンシュタインの怪物が裸の女性を抱きかかえる上の写真は以前から知っていて、はて、どんな映画だろう?。観たい、観たいと思っていたが、いざ手に入ると観る気が全く失せてしまっていた。ハリー・ノヴァクが製作した怪獣ポルノのいくつかをこの眼にした今となっては、だいたいの予想がついてしまうのだ。しかして、このたび「一言」に出題したのを機に観てみたが、予想を大きく上回るシロモノだった。この下らなさに比肩し得るのは『死霊の盆踊り』より他にないだろう。とにかく、もう退屈で退屈で、あ〜〜〜〜あ。欠伸の名人になってしまう。 内容は極めて単純.....というか、皆無である。 |
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さて、ここで映画史の講釈を一つ打っておこう(もちろん、私は淀川さんではないので、あくまでも受け売り) やがて50年代に入り「ヌーディスト映画」が登場した。ヌーディストの生活をただ記録しただけの屈託のない健全映画だ。抜けねえ、抜けねえ。しかし、野郎どもは群がった。とにかく「動くハダカ」が見たかったのだ。 そして、ストリップ小屋のステージをただ撮影しただけの「バーレスク映画」が登場した。こちらの方がまだオカズになるが、扇情的な内容なので、乳首まで見せることはなかった。 こうした不毛の努力の総決算として登場したのが「ヌーディー・キューティー」である。一応、ストーリー仕立てになってはいるが、主眼は「動くハダカ」であり、従って、絵的には「バーレスク映画」と変わりない。変わりがあるとすれば、乳首を見せていることか。しかし、直接的にセックスを描く真似はしない。本作DVD解説を担当しているフランク・ヘネンロッターもこのように述べている。 やがて70年代に入り、ヘイズ・コードが撤廃されると、ハードコア花盛りになる。「ヌーディー・キューティー」の役割も終わるが、こんな映画でも、かつては需要があったのだ。 |
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