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評価 ★

デアボリカ
BEYOND THE DOOR
a.k.a DIABOLICA

伊 1973年 108分
製作 オヴィディオ・G・アソニティス
監督 オリヴァー・ヘルマン(オヴィディオ・G・アソニティス)
   リチャード・バレット
出演 ジュリエット・ミルズ
   ガブリエル・ラヴィア
   リチャード・ジョンソン


『エクソシスト』を初めて観た時はなんてばっちい映画だと思ったもんだが、その10倍はばっちいのがこの『デアボリカ』だ。『エクソシスト』のリーガンはゲロを吐きかけるだけだが、『デアボリカ』のジェシカはゲロを吐きかけた上に、それをペロペロと食べてしまうのだ。とにかく汚くて、ジュリエット・ミルズという女優の品性を本気で疑った。

 内容は、一言で云えば『ローズマリーの赤ちゃん』+『エクソシスト』。悪魔を身ごもったジェシカはゲロは吐くわ首は回すわ空中に浮かぶわ嵐を呼ぶわ、リーガンがやったことを一通りやって、口のない畸形児を産んで終わり。結局、何だかよく判らん。

 製作・監督のオヴィディオ・G・アソニティスはイタリア製バッタもん映画の巨匠。『ジョーズ』がヒットするとすぐさまタコが人を襲う『テンタクルズ』をでっち上げた御方だ。『サスペリア』がヒットするとすぐさま『ザ・ショック』をでっち上げたが、これの原題が『BEYOND THE DOOR II』。物語上まったく関係がないにも拘わらず、本作の続編として作ったのである。抜け目がないというか、臆面がないというか、とにかく商魂の逞しさはたいしたものだ。
 なお、89年にはスプラッター・ブームに乗じて『ザ・トレイン』をでっち上げたが、これの原題が『BEYOND THE DOOR III』。やっぱり前2作とはまったく関係がない。


↑ばっちいなあ、もう。


備考

 オヴィディオ・G・アソニティスが手掛けた主要作品は以下の通り。

*デアボリカ(1973・製作・監督・脚本)
*怪奇!魔境の裸族(1973・製作総指揮)
*メリーゴーランド(1974・製作)
*空手アマゾネス(1974・製作)
*アマゾネス対ドラゴン/世紀の激突(1974・製作)
*ラストコンサート(1976・製作)
*テンタクルズ(1977・製作・監督)
*ザ・ビジター(1979・製作・原案)
*殺人魚フライングキラー(1981・製作総指揮)
*ザ・トレイン(1989・製作総指揮)
*ミッドナイト・ライド(1990・製作)

 その節操のなさには、なんだかちょっと感動してしまう。


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