最後の晩餐 LA GRANDE BOUFFE
仏 1973年 130分 監督 マルコ・フェレーリ 脚本 マルコ・フェレーリ 出演 マルチェロ・マストロヤンニ ミシェル・ピコリ ウーゴ・トニャッツィ フィリップ・ノワレ
一言で云えば『ソドムの市』食欲版である。 4人の男が週末に郊外の屋敷に集まって、食の宴を繰り広げる。当初は売春婦も呼んで賑やかに騒いでいた4人だが、次第に顔色が悪くなり、元気もなくなって行く。それでも喰い続ける4人の異常な姿に怖れをなし、退散する売春婦たち。 「異常よッ。あなたたちは狂ってるわッ」 どうやら彼らは死ぬまで喰い続けるつもりらしい。 色情狂のマルチェロも己れらの異常に気づいた。 「死ぬまで喰い続けられるわけないだろうッ」 翌朝、マルチェロは庭で凍死していた。 ミシェルは消化不良を起し、ビチグソをたれながら死んだ。 ウーゴはフィリップの制止も聞かずに喰い続け、射精しながら死んで行った。 そして、最後にフィリップも、巨大なおっぱい型プリンを食べながら、息を引き取る。もう主人がいなくなったにも拘わらず、屋敷には大量の肉が届けられる.....。
いやはやなんとも、トンデモない映画である。人を不快にさせるために作られた映画といっても過言ではない。ブーブー屁をたれながらも喰い続けるわ、排水口が破裂して部屋中ウンコまみれになるわ、ゲロを吐くわ、全編汚物まみれ。それでも、なおも喰い続ける異常な光景。カンヌ映画祭ではブーイングの嵐だったとか。そりゃそうだわなあ。フランス人グルメを思いっきりバカにしているんだから。 それでも本作、審査員特別賞を受賞した。 そこで思い出すのが『モンティパイソン/人生狂騒曲』である。あの映画の中にも、グルメでデブのフランス人が喰い過ぎて、レストラン中をゲロまみれにするシーンがあった。で、やっぱりカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞している。 これからカンヌに出品しようとしているみなさん。審査員特別賞が欲しいなら、グルメとゲロとウンコ。これです。これを描けば必ず受賞できるでしょう。
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