悪魔のシスター 米 1973年 92分 |
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巨匠ブライアン・デ・パルマの出世作であるこの映画、『エクソシスト』の後に公開されたので、なにやらオカルトもののような邦題をつけられてしまっているが、その実はヒッチコックへのレスペクト全開のサイコ・スリラーである。「第二のヒッチコック」と目されて久しいデ・パルマが今回挑んだのは『サイコ』+『裏窓』。音楽はもちろんバーナード・ハーマンだ。 主人公のダニエラは黒人青年と一夜を共にする。しかし翌朝、青年はダニエラと瓜二つの女にナイフで惨殺されてしまう。その女はダニエラの妹のドミニクで、実は二人はシャム双生児として生まれて、1年前に手術で分離されたばかりだった。姉のダニエラは正常に育ったが、ドミニクは精神に異常を来しており、分離後も精神病院に隔離されていたのだ。 |
ここからはネタバレ。 なかなか面白い物語なのだが、如何せん、穴があり過ぎる。 それでも、こうした論理的な穴に眼をつぶれば、本作はかなり楽しめる作品に仕上がっている。特に終盤での「シャム双生児分離手術」の幻想シーン(左写真)には圧倒される。キチガイやフリークスに囲まれる中で肉切り包丁が振り降ろされる描写は、子供が観たならばトラウマになること必至だ。 |