悪魔の植物人間 米 1973年 92分 |
この映画を初めて観たのが東京12チャンネルの午前中の映画枠。浅草のれん街が提供のやつである。タイトルから「寝たきりになっている悪人」の映画かと思ったらさにあらず。植物と人間のあいのこを製造する気狂い博士の物語であった。 物語は極めて単純だ。植物に惚れ込んだ気狂い博士、「人間も植物になればいいのにな♪」と、人をさらっては合体手術を施すも失敗ばかり。しかし、心配は御無用。博士は見世物小屋も経営しており、失敗作はここで展示するので一石二鳥なのだ。ようやくウツボカズラとの合体に成功するも、復讐に遭い博士は絶命。博士の助手の不具の男も、見世物小屋の畸形たちにより殺されるのであった.....って、どこが『フリークス』だよッ。 監督のジャック・カーディフは、マイケル・パウエル監督の『黒水仙』でアカデミー撮影賞を受賞した名カメラマン出身だが、何が彼にこれを撮らせたのか?。以後、再び古巣に戻り、監督作は1本も撮っていない。 そんなわけで本作は、一人の映画監督を失業に追い込んだ問題作であるが、一部好事家の間ではかなり評価されている。出演する畸形たちが充実しているからである。髭女にワニ肌女、激ヤセ女に足萎え男と、いずれもツワモノ揃い。中でも最も強烈な印象を残す目の玉 飛び出す黒人おじさん(通称ポップ・アイ)は、昔、愛川欽也司会の「世界ビックリなんとか」に出演して、通行人を驚かすどっきりカメラみたいなのをやっていた。 |