ジャケットを見ればすっとこどっこいであることぐらいは容易に想像がつくが、このたび初めて見て、案に違わぬすっとこどっこいであることを確認した。
もう「娘」とは云えないイイお年のリンダ・ブレアが、親友と共に実家に里帰りする。父は特殊メイクアップ・アーティストで、家の中はグロテスクな「作品」の展覧会。娘は慣れているからいいものの、親友にとってはいやはやなんともだ。
「キモい親父だなあ」
と思いながら床につき、布団をめくると手首があってウギャア。
「ダディのおやすみの挨拶よ(はあと)」
オチャメな父親を愛でる娘であったが、俺としちゃあこんな家、泊まりたくねえ、まっぴらだ。
そんなこんなの「楽しい我が家」に愚連隊がやってくる。これがホンマに悪い奴らで、人を殺して濡れて勃つような男女混合変態集団。お約束通りに、一家を皆殺しにしてしまう。
その光景を覗き穴から目撃していた謎の男。どうやら畸形であるが故に幽閉されていた息子のようで、怒り狂って座敷牢を蹴破り、愚連隊をプロレス技で嬲り殺す。
ところが、最後の二人に襲い掛かったところを警官隊に発砲されて、駆けつけた叔父さんに「パパ〜ッ」と云い残して絶命。生き残った二人組は「被害者」として無罪放免されてしまった.....。
さあ、これからはアッと驚くエピローグ。
実は、叔父さんは畸形男の父親であり、自らも顔が重度に変形したエレファントマンの人だったのだ。しかし、特殊メイクアップ・アーティストである兄がラバー・マスクを作ってくれた御陰で、健常者として生活している。
彼は己れによく似た息子を恥ずかしく思い、兄に育ててもらっていたが、
「このたび、どっちが腐っているかがよ〜く判ったぜッ」
と生き残った二人組を誘拐。整形手術を施してフリークスにし、座敷牢に隔離してしまう.....。
「無茶苦茶なオチでんなあ」と呆れていると、更に二重のドンデン返しがあって脱力。もうなんだか判りませんわあ。
その脱力っぷりは、各人が確認して頂きたい。
なお、本作の監督&脚本家のコンビは、後に『CUBE IQ』を放ち、心ある人々を激怒させている。
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