ファンハウス/惨劇の館 米 1981年 97分 |
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『悪魔にいけにえ』の成功後、『悪魔の沼』で自己模倣に陥ったトビー・フーパーが、ビッグ・バジェットで撮った失敗作。『悪魔のいけにえ』と同様の純粋ホラーを目指し、金をかけてお化け屋敷をスクリーンに再現しているが、怖くないのだよお、これが。一方、生理的嫌悪感は健在で、三ツ口の牛は出てくるわ、ホルマリン漬けの畸形の胎児は出てくるわ、殺人鬼が出てくればそれもやっぱり畸形だったりするわで(写真左)、違う意味で怖い怖い。その殺人鬼がババアの売春婦を買って、ヨダレ垂らしながら射精するシーンは不快そのもの。客が入るわけねえよなあ、こんな映画。反省したフーパーは、次回作では生理的に不快なシーンは極力排除し、子供でも楽しめるお化け屋敷を作り出した。『ポルターガイスト』である。これが大ヒットしたためにフーパーの面子は立ったが、彼の個性は埋没し、しまいにゃ製作者のスピルバーグが監督したのではないかと噂される始末であった。 物語は極めて単純だ。移動式のカーニバル。その中のお化け屋敷=ファンハウスには怪物が住んでいた。経営者の一人息子が畸形で知恵遅れの殺人鬼だったのだ。移動先で性衝動にかられて何人も殺し、そのたびに親父がなんとか始末してきた。ところが、このたびはハカが行かない。肝試しに忍び込んだ若者たちに目撃されてしまったのだ。経営者親子は目撃者を一人づつ抹殺して行くが、最後に残ったオボコ娘の返り討ちに遭い、絶命するのであった。 |
関連人物 |
トビー・フーパー |