半獣要塞ドクター・ゴードン 米=フィリピン 1972年 81分 |
「要塞」と云うほどのものはどこにも出てこない。フィリピンで超低予算映画を製作していたエディ・ロメロが、どっかの島で撮影したドクター・モローもどき。無名時代のパム・グリアが獣人役で出演していることでカルト化しているが(あちらではDVDまで出ている)、彼女は本当にチョイ役で、お約束のキャットファイトはあるものの、途中であっさりと死んでしまう。ロジャー・コーマンがフィリピンで製作した『残酷女刑務所』とほぼ同時期の作品なので、ついでに出てもらったんだろう。 |
ストーリーはいわずもがな。人を誘拐してきては様々な動物とかけ合わせてて喜んでいるゴードン博士。「アリとガチョウでアリガチョウ」とシャレていた赤塚マンガの気狂い博士とレベル的には変わりない。獣人たちのメイクも、いったい何の動物とのあいのこなのかよく判らないヘタクソで、この手の映画に必ず登場する筈の改造手術シーンもなく、見どころは皆無に等しい。 ただ唯一、貧相な翼をつけた奴だけがどうにかコウモリ男だと判別でき、こいつの獣人的成長ぶりはなかなか笑える。コウモリの本能に従って、木の枝に逆さにブラさがってはみたものの、頭に血が逆流して貧血を起す。翼をはばたかせて木から飛び立てば、ドリフのコントのように地面に激突する。 しかし、獣人たちの主治医であるゴードン博士が死んでしまい(なんか雑草みたいな妻に殺されてしまう)、彼らをもとの人間に戻してくれる人がいなくなってしまった今、いくら自由になったからといって、獣人たちにとってはハッピーエンドなのか?。疑問である。 |
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