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悪魔のはらわた
FLESH FOR FRANKENSTEIN

伊=仏 1973年 97分
製作総指揮 カルロ・ポンティ
監修 アンディ・ウォーホール
監督 ポール・モリセイ
出演 ウド・キア
   ジョー・ダレッサンドロ
   アルノ・ジュエギング
   モニク・ヴァン・ボーレン


『アンディ・ウォーホールのフランケンシュタイン』のタイトルでも知られるこの作品、実際にはウォーホールは何もしておらず、弟子のポール・モリセイへの名板貸しだそうだ。

 この映画の最低なところは、フランケンシュタイン博士を屍姦の好きな内臓フェティストとして描いた点だろう。女の腹を裂き、内臓にペニスを挿入して射精し、「生命の息吹きを吹き込んだ」とうそぶくシーンは、史上最もおぞましい濡れ場である。

 内容は、極めてバカバカしい。
 フランケンシュタイン博士は途方もない野望を抱いていた。つがいの人造人間を製造し、彼らが産んだ子供たちを従えて世界征服することを企んでいたのだ。子供を大量に産むためには、オスは精力絶倫でなければならない。そこで博士は売春宿を訪れ、頭部となるべき男を物色するが、勘違いでホモの頭部を移植してしまったために、計画は座礁するのであった.....。

 とにかく、ギャグなのかマジなのかよく判らない映画であったが、過激な残酷描写が評判となり(公開時は3Dだったので、はらわたがビローンと飛び出す)、世界中でまずまずのヒットを記録。翌年にはほぼ同じスタッフとキャストで続編のようなものが作られた。今度はドラキュラ伯爵を主役にした『処女の生血』である。


 この映画の最低なところは、ドラキュラがまったくカッコ悪く描かれている点だろう。あまりにもカッコ悪すぎるので、従来のドラキュラ映画ファンからは忌み嫌われている作品である。

 内容は、極めてバカバカしい。
 この映画のドラキュラは処女の生血でなければ受けつけない。非処女の血だと拒絶反応を起こし、吐き出してしまう。しかし、故郷ルーマニアでも性の解放は進み、処女が滅多にいなくなった。そこで、敬虔なカトリックの多いイタリアならば処女が多いだろうと、はるばる遠征にやって来たのである。ところがどうして、処女だ処女だと口では云いつつ、しっかり男を知ってる奴ばかり。ようやく処女を一人見つけたが、下男に先を越されてヤられてしまい、涙するのであった。彼女が破瓜した時に床にしたたり落ちた鮮血をドラキュラが愛おしそうに舐めるシーンは、なんとも情けなくて同情してしまいます。

 本シリーズで主役を演じるのは、希代の怪優ウド・キアー。近年もドイツが生んだ鬼畜監督クリストフ・シュリンゲンズィーフの作品で大暴れしているが、本シリーズが彼の最高傑作ではないだろうか?。


備考

『映画秘宝』誌35号所収「タオルミナ映画祭レポート」におけるポール・モリセイ監督へのインタビューで、本作について訊かれたモリセイはわれながらけっこううまく出来たコメディだ」と述べている。やはりコメディ映画だったのだ。


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