現代版フランケンシュタイン物語である。
未熟児の成長促進を研究するロック・ハドソンは、犬で成功したのに気を良くして、禁断の人体実験に挑む。ところが、これがうまく行かない。成長が止まらないのだ。どうにか止まった時には被験者は、妙齢のバーバラ・カレラになっていた。
胎児がたった1ケ月でバーバラ・カレラになるのである。男の夢である。
生後1ケ月の彼女は美しいだけでなく物凄い記憶力を発揮し、数週間でハドソン博士の知力を追い越す勢いである。そして、己れが急速に老いつつあることを知る。老いを止める特効薬は、胎児の骨髄液だった。
ハドソン博士の息子の嫁が妊娠中という設定に嫌な予感がしたが、その予感が適中する。フランケンシュタイン博士は己れが作り上げた怪物から手酷い仕打ちを受けるのである。
監督のラルフ・ネルソンは以前に『アルジャーノンに花束を』の映画化『まごころを君に』を撮っており、その二番煎じの感は否めない。後味もすこぶる悪い。唯一の救いは、まだウブなバーバラ・カレラのエキゾティックな魅力であろうか。
特別出演のロディ・マクドウォールの芝居もなかなかの見ものである。「本で読んだだけ」というカレラに完敗するチェス・チャンピョンを例の如くエキセントリックに演じており、これが最高に可笑しい。コーネリアスのファンは必見である。
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