要心無用
SAFETY LAST !
米 1923年 60分
監督 サム・テイラー
フレッド・ニューメイヤー
出演 ハロルド・ロイド
ミルドレッド・デイヴィス
喜劇王ハロルド・ロイドの代表作にして、サイレント喜劇の傑作の一つ。故郷に残した恋人に「出世したよ」と嘘の手紙を送ったために、遂にはビルに登るハメになる哀れな青年の物語だ。正直云って前半は退屈である。しかし、それはすべて伏線なのだから仕方がない。とにかく、ラスト20分の大スタントは圧巻の一語に尽きる。よくもまあ、こんな危険なスタントに挑んだものだと呆れてしまう。
実はこれにはタネがあり、ロイドは落ちても死なないようになっている。下の画像を見て頂きたい。
ロイドがぶら下がっているのは本物のビルではなく、ビルの屋上に作られたセットだったのだ。そりゃそうだろう。死んじゃうもん。
しかし、この屋上には柵がなく、十分に危険なスタントだったことは間違いない。しかも、この時のロイドは、撮影中の爆発事故で右手の親指を失っていたのだ。右手では握れない状態だったのである。まさに役者バカ。今日の役者はこの根性を見習うべきだ。
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