五十年後の世界
JUST IMAGINE
米 1930年 102分
監督 デヴィッド・バトラー
出演 エル・ブレンデル
フランク・アルバートソン
モーリン・オサリヴァン
フォックス製作の珍しいミュージカルSF。
1927年10月に初のトーキー映画『ジャズ・シンガー』が上映されて、大当たりをとってからというものの、猫も杓子も映画の中で歌うようになりやがった。あのキートンでさえ無理からに歌わされている。まあ、音が連動するわけだから歌いたくなるのもわかるけど、SFでまで歌わなくてもよかったと思う。
25万ドルもかけた未来都市のミニチュア・セットはたしかに素晴らしいのだが、楽曲にロクなものがなかったために興行的には大失敗。元を取るためだろうか、小道具類はユニバーサルに売り渡されて『フラッシュ・ゴードン』に流用されたという。
やっぱり歌わない方がよかったと思う。
『五十年後の世界』の失敗の原因はそれだけではない。「未来ものSF」のヒット作は悲観的な作品ばかりなのだ。歌ってハッピーじゃダメなのだよ。
|