セダ・バラ 《主な出演作》 |
当時としてはかなり過激なコスチューム |
ハリウッド最初のセックスシンボル、セダ・バラがデビューしたのは1914年のことである。フランク・パウエル監督『愚者ありき』で男どもを片っ端から破滅に陥れる悪女を演じ、「ヴァンプ」と呼ばれて人気を集めた。 セダは完全に作り上げられた女優だった。本名はセオドシア・グッドマン。オハイオ出身のこのユダヤ娘は、いつの間にかフランス人とアラブ人との混血ということになっていた。その芸名は「ARAB DEATH」のアナグラムであり、彼女の私生活はその怪しげな名前と同様、謎に包まれていた。目鼻立ちを異常に強調したメイクのままで自宅とスタジオの間を往復した。もちろん、尾行されないように護衛付きだ。フォックス社が考え出した彼女のキャッチコピーが振るっている。 セダはその後、クレオパトラやカルメン、サロメといった典型的毒婦を次々と演じた。また、映画会社も彼女に続くヴァンプ女優を続々と輩出した。やがて第一次大戦が終わり、狂騒の20年代が訪れると、スクリーンはまさにヴァンプ花盛りと化した。 |