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アイスクリームマン
ICE CREAM MAN

米 1995年 90分
監督 ノーマン・アプスタイン
脚本 デヴィッド・ドブキン
   スヴェン・デイヴィソン
出演 クリント・ハワード
   オリビア・ハッセー
   ジャン=マイケル・ヴィンセント
   デヴィッド・ワーナー


「あの人は今?」という特番があると、2回に1回は必ずエントリーされるのがオリビア・ハッセーである。元布施明夫人だったからだが、特番中に紹介される映像は、必ず「君は薔薇より美しい」というあのCMと、デビュー作『ロミオとジュリエット』だ。失礼な。彼女は他にも山ほどの映画に出演しているし、現在も立派に活躍中だ。B級映画でだけど。
 そんな彼女の近作の中でも特に印象に残るのがこれである。あの「ビデオ安売王」での独占販売だったので、見ていない人の方が圧倒的多数だろうが、私はハッセーが出ているってだけでゲット。しかし、内容のあまりの汚さに「ハッセーも落ちぶれたなあ」という感は拭えなかった。
(ついでに、ジャン=マイケル・ヴィンセントも)

 おつむが悪いアイスクリーム屋が仕出かす惨劇を描いた本作は、クリント・ハワードの演技があまりにもリアルで「本当に危ない人なんじゃないか?」となんだか心配になってくる。しかも、アイスクリームの上をゴキブリやネズミが這い回り、非衛生的なことこの上ない。殺人鬼でなくても、いずれは食中毒かなんか起こして逮捕されていたことだろう。ところが、こんなにヤバいアイスクリーム屋でも、あそこは旨いと大繁盛。お味の秘訣は人肉のブレンドで、トッピングに目玉を使ったりする。
 アイスクリームに人肉(生)を混ぜる、という発想はこの映画が初めてである。刺身などのナマものを日常的に食べる日本人には絶対に思いつかない発想だ。なんでも焼いて喰う毛唐には「生臭い」という感覚が判らないのだろう。

 なお、我らがオリビアの役どころはといえば、主人公の癲狂院時代の看護婦で、現在の身元引受人。今ではボケたババアという設定だ。私の記憶によれば初めて挑んだフケ役であった。
(ついでに、ジャン=マイケル・ヴィンセントは、まったく活躍しない刑事役。落ちぶれたなあ、この人も)


 

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